2026.08.03

テクニカルディレクターの1案件密着レポート:WPサイト公開までにやっている7つのこと

テクニカルディレクター仕事のこと
# WordPress制作# WordPress要件定義# 実装設計# 工数見積もり# 技術ディレクション

1. 要件定義の深掘りと「技術前提」のすり合わせ

WordPressサイト案件は、受注後の「要件定義の深掘り」からテクニカルディレクターの仕事が本格的に始まります。営業段階では曖昧だった内容を、具体的な機能・運用フロー・更新担当者・セキュリティ要件・予算と納期の優先度まで整理。
ここで重要なのは、
・プラグインで対応するのか、独自実装するのか
・マルチサイト/マルチ言語対応の要否
・投稿・固定ページ・カスタム投稿の設計方針
といった「技術前提」をクライアントと共有すること。後工程のブレを防ぐことで、仕様変更による炎上リスクを大きく下げます。

2. ワイヤー・デザイン段階での技術チェック

要件が固まったら、情報設計・デザインと並行して「実装しやすさ」と「運用しやすさ」の観点でチェックします。
・1画面に詰め込み過ぎていないか
・更新運用を想定したコンポーネント分解になっているか
・アニメーションやインタラクションの負荷が適切か
などを確認し、必要に応じてUI/UXデザイナーへフィードバック。
WordPressに落とし込む時点で無理が出そうな要素(入稿フローが複雑になる、パフォーマンスを大きく損なう表現など)は、この段階で代替案を提示します。

3. 見積り精緻化とスケジュール再設計

ワイヤー・デザインが具体化したタイミングで、工数とスケジュールを再度精査します。テクニカルディレクターの視点で
・テンプレートパターン数
・API連携や外部サービスの有無
・検証パターン(デバイス・ブラウザ)
を洗い出し、実装フェーズのバッファを再設定。
営業時のざっくり見積りを、開発現場に耐えうるレベルに「解像度アップ」するイメージです。ここでスケジュールの現実性をクライアントと再合意しておくことで、公開直前の修羅場をかなり回避できます。

4. 実装設計と社内コーダーへの落とし込み

次に、WordPress構成を設計し、コーダー・エンジニアが迷わず手を動かせる状態をつくります。
・テーマ構成(親子テーマ/フルスクラッチ)
・カスタム投稿タイプ/カスタムフィールドの設計
・再利用コンポーネントの定義
・環境構成(開発/ステージング/本番)
をドキュメント化し、キックオフミーティングで共有。
ジェイ・ラインでは、案件ごとの実装ルールを明示することで、複数拠点(大阪・東京・海外拠点など)のメンバーとも齟齬なく進められる体制を整えています。

5. 実装過程でのレビューフローと「炎上予兆」の管理

コーディングが始まった後も、テクニカルディレクターは進行管理と技術判断を継続します。
・テンプレート単位での中間レビュー
・プラグイン選定の妥当性チェック
・パフォーマンスやアクセシビリティの簡易検証
を段階的に実施。
仕様追加や想定外のバグが出てきた場合は、
「範囲内で吸収できるか」「スコープ変更として扱うか」
を即判断し、影響範囲とスケジュールの再調整をクライアントに説明します。ここでの説明力が「炎上案件」になるかどうかの分かれ目になります。

6. 総合テスト・品質チェックと公開準備

実装が揃ったら、WordPressならではの観点を含めた総合テストを実施します。
・権限別の挙動(管理者/編集者/投稿者など)
・フォーム送信・メール通知の確認
・プラグイン競合の有無
・レスポンシブ表示・ブラウザチェック
といった基本に加え、セキュリティやバックアップも確認。
サーバ・ドメイン移管、SSL証明書の設定、リダイレクト設計、本番反映手順までを一つの「公開プラン」として整理し、社内・クライアント双方と認識を合わせたうえで公開日に臨みます。

7. 公開後フォローとクライアントレクチャー

公開はゴールではなくスタートです。WordPress案件では、クライアントの運用力がサイト成果を大きく左右します。
・管理画面の使い方レクチャー
・更新ルール(画像サイズ・原稿文字数など)の共有
・軽微な改修の受付フロー整備
を通じて、担当者が自走しやすい状態を作ります。
公開直後に起こりやすい「アクセス集中による負荷」「急な表記修正」などには、テクニカルディレクターがハブとなって即応。コードが書けるだけでなく、案件全体を設計・推進する役割の醍醐味がここにあります。