“制作して終わり”にしないサービスサイト制作――リニューアル後6ヶ月の改善プロセスを全部見せ
公開直後1ヶ月:ベースラインを整えるアクセス解析設計
ジェイ・ラインでは公開日をスタートラインと捉え、最初の1ヶ月は「測れる状態をつくる」ことに集中します。GA4・Search Console・タグマネージャーを整理し、以下のイベントを必須で計測します。
- 問い合わせ完了/途中離脱
- 主要CVに紐づくクリック(電話リンク、資料DL、エントリーなど)
- スクロール率・滞在時間・離脱ページ
並行して、流入チャネル別のKPIツリーを作成し、「セッション数→コンテンツ到達率→CVR」の分解をクライアントと共有。ここで合意した指標が、以後6ヶ月の定例とABテストの判断基準になります。
2〜3ヶ月目:ヒートマップとログから課題仮説を立てる
ベースデータが溜まった2〜3ヶ月目は、「どこで・なぜ離脱しているか」を可視化します。ヒートマップでは主に以下を確認します。
- ファーストビューの注目エリアと未読エリア
- スクロール到達率とCTAの配置位置
- クリックの集中・誤クリックポイント
あわせて問い合わせログをカテゴリ分けし、「よくある質問」「誤解されやすい点」「比較検討で迷う軸」を抽出。アクセスデータと照合し、「サービス理解が浅いまま離脱している」「料金ページで迷っている」といった、改善テーマ単位の仮説をディレクターが整理します。
ABテストの設計:クリエイティブとデータの橋渡し
仮説が見えたら、ディレクターが「KPI→仮説→検証パターン」をワンセットで設計します。例えば、
- 目標:問い合わせ率+20%
- 仮説:ベネフィット訴求が弱く、比較検討で負けている
- 検証:ファーストビューのコピーとCVボタン文言のABテスト
この要件をもとにデザイナーにはレイアウトとビジュアル意図を、エンジニアには計測仕様と出し分け条件を明確にブリーフィング。定量データと定性的インサイトを併記した「1枚企画書」フォーマットで共有し、チームが同じゴールを見て制作できる状態をつくります。
月次定例:KPIレビューと次の打ち手のテンプレ構成
公開後6ヶ月は、月1回の定例で「振り返り→解釈→次の施策」をテンプレート化して進行します。構成例は以下です。
- 1)前月KPIサマリー(セッション・CV・CVR)
- 2)トピックページ別の成果とインサイト
- 3)実施したABテストの結果と学び
- 4)翌月の改善施策案と優先順位
資料はスライド10枚前後に絞り、「判断に必要な粒度」に整理。数値報告に終始せず、「なぜそうなったか」「次に何をやるか」を明文化することで、クライアントの事業判断とサイト改善を一体で進めます。
社内連携:ディレクターが担う“翻訳者”としての役割
ジェイ・ラインのディレクターは、データとクリエイティブの“翻訳者”として動きます。特徴的なのは以下の連携スタイルです。
- エンジニアとは:実装コストと検証精度のバランスを相談し、スプリント単位で改善を設計
- デザイナーとは:ユーザーインサイトを共有し、「なぜこの表現が必要か」を言語化
- 営業・HRチームとは:実際の商談・採用の反応をフィードバックループに組み込む
これにより、「売りやすい/採用しやすい」現場感と、「数字で語れる」Web改善を両立させています。
若手育成:6ヶ月プロジェクトを通じたディレクションの型づくり
若手ディレクターは、6ヶ月の改善プロジェクトにサブディレクターとしてフル同行します。役割は段階的に、
- 1〜2ヶ月目:データ収集・レポートドラフト作成
- 3〜4ヶ月目:小規模ABテストの企画と進行補佐
- 5〜6ヶ月目:一部パートの定例ファシリテーション
先輩ディレクターは、毎月の定例資料と改善チケットを題材にフィードバックを実施。「仮説の立て方」「優先順位の付け方」「クライアントへの伝え方」を、案件を通して習得できるようにしています。
“公開後こそ腕の見せどころ”というディレクションへ
こうした6ヶ月のプロセスを前提にサービスサイトを設計すると、「制作完了」が目的ではなく、「事業成果に効く改善サイクルを回すこと」がディレクションの中心になります。データと現場の声を起点に、エンジニア・デザイナーとチームで検証を繰り返すことで、サービスの価値が伝わり続けるサイトへ育てていく。この長期伴走型の進め方こそが、ジェイ・ラインがサービスサイト制作で大切にしているスタンスです。