タイトな案件を荒れさせない!プロジェクトマネジメント術のご紹介
1. 初回ヒアリングで必ず押さえるポイント
タイトな案件ほど、初回ヒアリングでの「解像度」がプロジェクトの安定度を左右するため、最低でも次の5点を必ず確認します。
- サイトの目的
- ターゲット像
- 公開日と「絶対に動かせない」マイルストーン
- 決裁フロー(誰が・いつ・どこまで決めるか)
- 運用体制(更新担当者・更新頻度)
ここまで聞けると、要件定義とスケジュール設計が大きくブレません。
逆に、どれか1つでも曖昧なままだと、後半で仕様変更や戻り作業が連発し、工数と信頼を同時に失いやすくなります。
2. WP案件で“揉めやすい範囲”を先に潰すヒアリングシート
WordPress案件では「どこまでが制作範囲か」が曖昧だと、検証・保守・権限で必ず摩擦が生まれます。MARUTTOでは、次のような項目を並べたヒアリングシートで事前に線引きをしています。
- PHP・WP本体のバージョンアップ方針と頻度
- フォーム・会員機能など、送受信に必要な情報
- 本番・ステージング環境の有無と運用ルール
- 使用サーバ・ドメインの確認、公開方法の方針決定
それぞれについて「制作範囲内/保守契約で対応/都度見積り」をチェックできるようにしておくと、見積も工数もクリアになり、リリース後の対応範囲も明確にできます。
3. 社内コーダーに「抜け漏れなく」伝える指示テンプレート
炎上案件の多くは、要件そのものより「伝言ゲーム」から生まれます。
ジェイ・ラインでは、コーダーへの指示をテンプレート化しています、下記はその一例です。
- 案件概要・経緯と目的(例:採用応募CV向上・LP反応率改善)
- CMS有無と編集範囲(固定ページ/投稿タイプ/ACFなど)
- パフォーマンス要件(スコア目標・画像最適化方針)
- 納品形態(Git / ZIP / サーバーアップまで)と締切
さらに、「これは迷ったら必ず相談してほしいポイント」を箇条書きで添えておくと、判断の齟齬が減ります。
ディレクター側でも「ここまで伝えたら任せられる」という基準が明確になり、マルチタスクでも進行が安定します。
4. タイトなスケジュールで品質を守る優先度の付け方
時間が足りないときほど、「何を削らないか」を先に決め、優先度を整理しています。
- 必須:公開日までに絶対必要(フォーム送信、計測タグ、表示崩れ防止など)
- 重要:数週間以内に追いつけばよい(アニメーション、軽微な文字修正)
- 追加:余裕があれば対応(軽微な演出、装飾レベルの改善)
クライアントにもこの分類で共有し、「必須」を死守する代わりに「追加」は二期対応を提案します。
これにより、ローンチ品質とスケジュールの両方を守りつつ、後続案件や運用フェーズにもつなげやすくなります。
5. リピート・紹介につながる納品後フォロー術
タイトな案件ほど、納品後の対応が次の案件を左右します。公開後1ヶ月以内に、次のようなフォローを行います。
- アクセス傾向の簡易レポート
- クライアント側での更新状況の確認とミニレクチャー
- 今後の「小さな改善プラン」の提案
このとき、「追加でこれもやりましょう」と売り込みに寄せるのではなく、「現状の運用で困っている点はありませんか?」と聞くスタンスが重要です。
現場目線で課題を拾い続けることで、単発案件が保守・追加開発・紹介へと自然に広がっていきます。
6. 荒れない進行の裏にあるワークスタイル
こうした進行術を支えているのは、テクニカルディレクターが「橋渡し役」として機能するチーム体制です。
社内にはコーディング専任メンバーがいるため、ディレクターは要件整理と品質管理、顧客コミュニケーションに集中できます。
また、受託制作とコーディング代行の両方を扱うため、さまざまな制作会社・広告代理店の進め方に触れながら、自分の進行スタイルを磨くことができます。
「マルチタスクは得意だが、いつも炎上寸前」という経験があるほど、ここで紹介したような手法が武器になり、案件全体を落ち着いてリードできるようになります。