プレイヤー営業から“アカウントディレクター”へ──技術が書けなくても上流に上がれたキャリアチェンジの裏側
元法人営業が「コードを書かない」上流職を選んだ理由
新規開拓中心の法人営業として数字を追ってきたものの、「単発受注で終わらず、事業づくりに近いところで関わりたい」「IT・Webの成長マーケットで、上流側に行きたい」というモヤモヤを抱えていた。とはいえ、エンジニア転職をするほどコードに情熱があるわけでもない。そこで選んだのが、MARUTTOのアカウントディレクターという役割だ。自らはコーディングせず、テクニカルディレクターと組んで案件設計・見積・進行をリードする立場。既存の「売って終わりの営業」から、「設計〜運用までを俯瞰し、長期リレーションをつくる上流営業」へキャリアを切り替える決断だった。
WPもCMSも怖かった営業が、最初にやったインプット
入社直後は「WP(WordPress)」「テーマ」「カスタムフィールド」といった用語に自信がなく、商談で技術的な質問が出るたびに冷や汗をかいていた。そこで、最初の1カ月はあえて“やりすぎない”インプットに絞った。具体的には、
・WordPress公式サイトと管理画面を触って、投稿〜固定ページの違いを体感
・MARUTTOの過去提案資料・見積を読み、どの要望がどの工数に紐づくかを確認
・テクニカルディレクターに「1時間だけ」「この案件だけ」の前提でミニ勉強会を依頼
「概念が分かる」「何が分からないかを言語化できる」レベルまで到達すると、打ち合わせでの不安は大きく減り、技術的ディテールはTDに任せるスタンスが取りやすくなった。
営業が押さえるべき3つのポイント:スコープ・リスク・前提条件
技術職ではない営業が、上流で信頼を得るために必須だったのは「全部分かること」ではなく、「抜け漏れなく整理すること」だった。特に重要なのは次の3点である。
1. スコープ整理:対象ページ数、テンプレート数、対応ブラウザ、レスポンシブ有無などを具体的に定義すること。
2. リスクの言語化:想定変更点や、クライアント側作業(テキスト入稿、画像支給)の遅延リスクを、事前に伝えること。
3. 前提条件の明文化:環境(既存サーバー/新規)、プラグイン利用方針、検証範囲(デバイス・OS)を資料に残すこと。
この3つを押さえるだけで、テクニカルディレクターとの連携コストが下がり、見積ブレやスケジュールトラブルが激減した。
初めてのCMS案件で失敗しかけた原因と、ヒアリングシート改善
最初のCMS案件では、「既存WPサイトのリニューアル」と聞きながら、
・既存テーマの構造
・使用プラグイン
・サーバー・PHPバージョン
を十分に確認しないまま見積を出してしまい、着手後に「現行環境では要望通りに動かない」ことが判明。テクニカルディレクターのリカバリーで大事には至らなかったが、この経験からヒアリングシートを大幅に見直した。
・「新規構築」か「既存改修」かの選択必須
・管理画面のスクリーンショット提出を依頼
・サーバー情報・ドメイン管理者の確認項目を追加
といった項目を追加したことで、以降のCMS案件では、要件確定までのスピードと精度が大きく向上した。
MARUTTO流・アカウントディレクターのセルフチェックリスト
アカウントディレクターとして成果を出せるかどうかは、技術力よりも「営業としての基礎体力」と「ITリテラシーの伸びしろ」で決まると感じている。自分を測るうえで役立ったチェックポイントは次の通りだ。
・行動量:架電・メール・フォーム送信など、日次で数字を追うことに抵抗がないか
・数値管理:商談数・受注率・平均単価を自分でトラッキングして改善してきたか
・顧客志向:単発案件よりも、継続・紹介につながる関係性づくりを意識してきたか
・ITリテラシー:CMSやコーディングの用語を、自分なりに学ぶ習慣があるか
この4つに前向きであれば、「コードを書かない上流営業」として十分に戦える。
応募前に準備したい「過去案件の棚卸しフォーマット」
IT・Web領域の上流に近づくには、自分の営業経験を「案件設計の視点」で語れるようにしておくと強い。そのために役立つ棚卸しフォーマットは、次の5項目だ。
1. 案件概要:業界・商材・顧客規模・提案したサービス
2.受注までのプロセス:リード獲得〜クロージングまでのステップと工夫点
3. スコープ整理:どこまでを自社が対応し、どこからが顧客・パートナーだったか
4. リスクと対処:想定外の事象と、その時に取ったアクション
5. 継続・紹介へのつなげ方:単発で終わらせなかった工夫
この粒度で自分の実績を整理しておけば、MARUTTOのようにテクニカルディレクターと二人三脚で進める環境でも、再現性の高い“上流営業”としてイメージしやすくなる。