スライドより「会話」で勝つ。採用・コーポレートサイト案件のプレゼン現場をUI/UXデザイナーと覗いてみた
ジェイ・ラインのプレゼン現場は「説明会」ではなく「作戦会議」
ジェイ・ラインのコンペは、きれいなスライドを一方的に見せる場というより、「このサイトを一緒にどう育てていくか」を決める作戦会議に近い空気です。
採用サイトなら、人事・現場・広報、コーポレートサイトなら、経営層・ブランド担当・情報システムなど、ステークホルダーが多いのが前提。
そこでUI/UXデザイナーは「デザインの答え」を出し切るより、「なぜこの方向性にしたのか」「どこを一緒に決めたいのか」を会話で整理していきます。
勝ち負けより前に、「このチームで進めたい」と思ってもらえるかどうかが、実は評価のポイントになっています。
事前準備で押さえる“たった3つ”のヒアリングポイント
プレゼンの成否は、デザイン前のヒアリングでほぼ決まります。ジェイ・ラインで特に大切にしているのは、次の3点です。
・ビジネスゴール:売上・採用数・応募の質など、数字で見たい成果は何か
・キーペルソナ:誰にとっての「使いやすさ」「共感」を最優先するのか
・組織のリアル:決裁フロー、更新体制、社内政治的な制約は何か
この3つを押さえておくと、当日の会話も「好み」ではなく「目的ベース」で進行できます。ヒアリングメモは、ほぼそのままプレゼン台本にもなります。
UI/UXデザイナーが必ず話す“3つの軸”とは
当日の説明で、デザイナーが必ず触れるのも3つだけです。
1. 情報設計:どの情報を、誰のために、どの順番で見せるか
2.体験導線:ユーザーが最初の接点から応募・問い合わせまで、どう迷わず進めるか
3. ビジュアルトーン:ブランドらしさと、読みやすさ・アクセシビリティのバランスをどう取るか
この3軸を冒頭で宣言しておくと、経営層は「ゴールとの整合性」、人事は「応募者目線」、現場は「運用しやすさ」に、それぞれ意識を向けながら聞いてくれます。
ステークホルダー別「伝え分け」トークの実際
同じデザインでも、誰に向けて話すかで言葉を変えます。例えば、採用サイトのトップ案なら――
・経営層には「採用ターゲットの解像度」と「中長期のブランド影響」
・人事には「応募数・質に効く導線」と「運用画面の負荷」
・現場には「自分ごととして語れるコンテンツ構成」
を中心に説明します。
ジェイ・ラインでは、ディレクターが全体をファシリテートしつつ、デザイナーは「なぜこのUIにしたか」を、それぞれの立場のKPIに紐づけて話す役割を担います。
オンラインプレゼンでの画面共有・プロトタイプの見せ方
オンライン環境では、「見せ方」を少し変えるだけで伝わり方が大きく変わります。
・最初にサイトマップやフロー図で“全体像”を共有
・その後、FigmaやXDのプロトタイプで「1ユーザーの一連の動き」をトレース
・最後に、キービジュアルや採用メッセージ部分をズームしてディテールを説明
という順番にすると、迷子になりにくくなります。
また、事前に「操作役」と「話す役」を分けておくのもジェイ・ライン流。UI/UXデザイナーは説明に集中し、画面操作は別メンバーが担当するケースも多いです。
緊張しがちな人向け・シンプルなトーク台本サンプル
ジェイ・ラインでは、「話すのが得意でなくても伝わる」ことを重視しています。例えば冒頭は、次のようなテンプレートから始めます。
1. 「きょうは〇〇様向けサイトの“目的”と、それに紐づく“設計の考え方”をお話しします。」
2. 「まず全体像を共有したあとに、ユーザー導線、最後にビジュアルの順でご説明します。」
3. 「随時ご質問を挟んでいただいて大丈夫です。会話しながら内容を調整させてください。」
この3文だけでも、場の空気がかなり和らぎます。そこに、自分の言葉を少しずつ足していくイメージです。
「コンペ=消耗戦」から「共創の場」へ
コンペやプレゼンを「勝つための一発勝負」と捉えると、どうしても消耗しがちです。ジェイ・ラインが目指しているのは、「最初のプレゼンから、すでに共創が始まっている状態」。
そのために、
・ヒアリング段階から、採用・事業のパートナーとして話す
・プレゼンでは、完成品より「意思決定の根拠」を共有する
・質疑応答を“ダメ出し”ではなく“改善のブレスト”として扱う
といったスタイルを徹底しています。
UI/UXデザイナーの専門性が、きちんと会話の中で評価される環境だからこそ、プレゼンも「見せる」より「一緒につくる」に近づいていきます。