デザインコンペで「刺さる提案」はこう作る。UI/UXデザイナーが今日から使えるプレゼン設計術を公開
まず押さえるべき「ユーザーリサーチの要点整理」
コンペで負ける提案の多くは「誰の、どんな行動を変えたいか」がぼんやりしています。ユーザーリサーチは深さよりも、意思決定に効く“要点の抜き出し”が重要です。
ジェイ・ラインでも、採用サイトなら次の3点だけを必ず一枚にまとめます。
- ペルソナの「いまの認知」と「理想の認知」
- 応募までの主要導線(流入チャネルと離脱ポイント)
- ユーザーと企業でズレている価値観・期待
この3つを軸に、「だからインターフェース上で何を変えるのか」を一行で言えるようにしておくと、後のストーリー設計が一気に楽になります。
勝てる提案はストーリーラインで決まる
良いUIを並べるだけでは「きれいですね」で終わります。コンペで刺さるのは、経営層や人事が意思決定しやすいストーリーになっている提案です。ジェイ・ラインがよく使う流れは次のとおりです。
- 現状の課題:数字とユーザー行動で説明
- あるべき体験:1人のユーザーストーリーで描写
- 体験を実現するUI/UX設計:情報設計と導線の全体像
- キービジュアル・UI例:要点だけをピンポイントで
- 効果検証と改善の打ち手:ローンチ後の運用イメージ
この順番をスライドの骨組みにしてからデザインを当て込むと、「なぜそのUIなのか」を自然に語れるようになります。
ワイヤーとUIの「見せ順番」と説得力
コンペでやりがちなのが、最初から完成UIをドンと見せる構成です。クライアント側は「おしゃれだけど、自社に本当にフィットするのか?」と不安になりがち。ジェイ・ラインでは、先にワイヤーで「思考プロセス」を見せ、そのあとにUIを重ねます。
- ワイヤー:情報の優先順位・視線の流れ・導線
- UI:トンマナ、写真・アイコンの意味、マイクロコピー
スライド上では「ワイヤー → 半透明のUIを重ねた状態 → フルデザイン」と3段階で見せると、論理と表現のつながりが伝わりやすく、レビューも建設的になります。
Figma / XDプロトタイプを「評価しやすく」共有する
プロトタイプを共有しても、クリック先が多すぎたり、説明なしでURLだけ送ると「どこを見ればいいのか分からない」と評価しづらくなります。ジェイ・ラインでは、FigmaやXDのリンクと一緒に、次のような「閲覧ガイド」を1ページ添えています。
- このプロトで確認してほしいポイント(最大3つ)
- 想定ユーザーとシナリオ(例:中途デザイナーが応募に至るまで)
- クリックしてほしい導線の順番(Step1〜3で指定)
ミーティングでは、実際の画面を共有しながら「ユーザーになりきって操作してもらう」時間をあえて取り、体験へのフィードバックを引き出します。
クライアントが評価しやすい資料構成テンプレート
デザインコンペは「比較される」前提なので、他社案よりも理解しやすい構成にすることが重要です。ジェイ・ラインのWeb・採用サイト提案では、スライド構成をほぼテンプレート化しています。
- 1:提案の要約(1枚で全体像)
- 2〜3:課題整理とゴール定義
- 4〜5:ターゲット像とユーザーストーリー
- 6〜7:情報設計・サイトマップ・主要導線
- 8〜10:主要ページのワイヤー & UI
- 11:運用・改善の方針とKPI
「この順番で必ず作る」と決めておくと、検討漏れも減り、デザイナー同士でレビューもしやすくなります。
質疑応答で信頼を勝ち取る質問の仕方
質疑応答は「守り」ではなく、提案を一段深める「攻め」の時間です。ジェイ・ラインのUI/UXデザイナーは、回答だけで終わらず、こちらからも質問を投げかけていきます。
- 「この導線案で、社内的に一番懸念されそうな点はどこでしょうか?」
- 「応募者に“ここだけは伝わってほしい”というメッセージは何ですか?」
- 「ローンチ後3か月で、どの指標が改善していれば成功と感じますか?」
こうした質問は、クライアントの意思決定プロセスを引き出しつつ、「一緒に改善していくパートナー」という印象を与えられます。
明日から使えるチェックリストで提案を磨き込む
最後に、コンペ前にジェイ・ラインのデザイナーがよく確認しているポイントを簡単なチェックリストにまとめます。
- 「誰の、どんな行動を変えるか」が一行で言語化されているか
- ワイヤーとUIの関係が、非デザイナーにも説明できるか
- 資料構成が「課題 →体験 → UI →運用」の流れになっているか
- プロトタイプの閲覧ガイドを用意しているか
- 質疑応答でこちらから投げる質問を3つ用意しているか
このあたりを押さえておくだけでも、「良いデザインなのに通らない」状態から一歩抜け出しやすくなります。コンペのたびに少しずつプロセスを磨き、自分なりの“勝ちパターン”を育てていってみてください。