勝てるUI/UXデザイナーはコンペで何を見せている?ジェイ・ラインの“リアルなプレゼン術”を全部見せます
コンペ前に必ず見る「3つのチェックリスト」
ジェイ・ラインのコンペ準備は、いきなりデザインには入りません。まず確認するのは次の3つです。
- 事業ゴール:採用数アップなのか、企業認知なのか、何をKPIにするのか。
- ユーザーの「今の行動」:応募・問い合わせまでの導線、離脱ポイント、検索キーワードなど。
- 制約条件:公開時期、更新体制、CMS・運用担当者のスキル、予算や撮影可否。
ここを整理した上で、「この条件なら、勝ち筋はここ」と仮説を一つに絞ります。ビジュアルの方向性はその後です。
情報設計フェーズでクライアントを巻き込む質問
要件ヒアリングでは、「サイトに何を載せたいか」より「ユーザーにどう変わってほしいか」を聞き出します。例えば:
- 「今のサイトを見た人は、どんな勘違いをしがちですか?」
- 「採用/問い合わせで“来てほしくない人”はどんな人ですか?」
- 「面談で必ず話す“うちならではの一言”は何ですか?」
こうした質問から、「情報の優先順位」や「削っていいコンテンツ」が見えてきます。ワイヤーは、デザイナーの答えではなく、クライアントと一緒に作る“合意の可視化”という位置づけです。
短時間プレゼンでも意図が伝わるFigmaの見せ方
コンペの持ち時間は10〜20分が多く、Figmaをそのまま見せると「画面紹介」で終わりがちです。そこでジェイ・ラインでは、Figma内に簡易スライドを仕込みます。
- 1〜3ページ目は「ゴール」「ユーザー像」「コンセプト」だけ。
- その後に、画面キャプチャを使った「ユーザーストーリー」を配置。
- 最後に、運用イメージや今後の改善余地を1ページで整理。
「トップ→下層」の順で見せるのではなく、「ユーザーの行動順」に沿って画面を並べることで、プレゼンが体験ベースになり、意図が伝わりやすくなります。
“好み負け”しないストーリーテリング構成
デザインレビューでありがちな「なんとなく、他社さんの方が好みで…」を避けるため、プレゼンの構成自体をロジカルに組み立てます。基本の流れは次の4ステップです。
- 現状の課題整理(アクセス解析やヒアリングから)
- 課題に対するUI/UXの仮説(「だから、この導線を変える」)
- ビジュアルの役割定義(トンマナで何を伝えるか)
- 公開後の改善シナリオ(ABテストやコンテンツ追加案)
色やレイアウトの話をする前に、「この導線なら、◯◯な応募者が増えるはず」というストーリーを先に握ることが、好み議論を超えるポイントになっています。
勝ちにつながったコンペ事例①:採用サイト
あるサービス企業の採用サイトコンペでは、「応募数はあるがミスマッチが多い」という相談がスタートでした。そこで立てた仮説は、「“働きやすさ推し”が強すぎて、仕事の厳しさが伝わっていない」。ワイヤー段階で「1日の仕事の流れ」「リアルなチャレンジ事例」を上位に配置し、Figmaでは“理想だけでなく大変さも見せるトーン”を重視しました。
プレゼンでは、ビジュアルより先に「ミスマッチが減ると採用コストがこう下がる」というストーリーを提示。結果、クライアントから「一番“採用後”まで考えてくれている提案」と評価され、受注につながりました。
勝ちにつながったコンペ事例②:コーポレートサイト
別のBtoB企業のコーポレートサイトでは、「サービスが複雑で伝わりにくい」という課題がありました。ジェイ・ライン側の仮説は、「“何をしている会社か”が3秒で分かれば、営業提案の地ならしになる」。トップのファーストビューに、ユーザー業務のビフォー/アフターを1枚で見せる構成を採用しました。
Figmaでは、営業現場での説明フローをそのまま画面遷移に落とし込み、「営業資料とサイトのストーリーを揃える」提案を実施。クライアントからは「うちの営業の頭の中をそのままUIにしてくれた」というコメントをいただき、他社との差別化ポイントになりました。
ジェイ・ラインのコンペでデザイナーが担う役割
ジェイ・ラインのUI/UXデザイナーは、「出てきた要件をきれいに整える役」ではなく、戦略づくりから関わるポジションです。ディレクターと一緒にヒアリングに入り、課題整理や情報設計から提案をリードします。
コンペでは、デザイナー自身がプレゼンに立つことも多く、「なぜこの導線なのか」「どの指標で検証するのか」まで自分の言葉で語るスタイルです。ビジュアルだけでなく、事業ゴールとユーザー体験を結びつける提案に興味があれば、こうしたコンペの進め方は、きっと明日からの案件にもそのまま活かせるはずです。