2026.07.31

UI/UXデザイナーが教える“動き”の作り方|採用サイトのアニメーション改善ビフォーアフター

Webデザイナー仕事のこと
# アニメーション設計# マイクロインタラクション# 応募導線最適化# 採用サイト改善# 社員紹介ページ

効果的な「動き」を決める3つの基準

アニメーションを足す前に、「そもそも何のための動きか?」をはっきりさせます。ジェイ・ラインでは主に次の3つを基準にしています。

  • 目的:理解促進/視線誘導/行動喚起のどれに効かせるのか
  • 頻度:1ページ内で「目立たせたいポイント」は3カ所程度まで
  • 負荷:初回ロードの重さ、モーション酔いリスクを必ずチェック

この3つに照らして「理由が言えない動き」は削るのが前提。そのうえで、採用サイトなら「応募」「エントリー導線」に優先的にアニメーションを割り振る、という考え方です。

Before:フェードインだらけの採用サイト

よくあるのが「スクロールするたび全部フェードイン」パターンです。一見リッチですが、採用サイトでは次のような問題が起きがちです。

  • 読みたいテキストが遅れて出てきて、情報を一気に把握しづらい
  • モバイルでスクロール量が多いと、ユーザーが途中で離脱しやすい
  • 応募ボタンやエントリー導線が、他の要素に埋もれてしまう

「全部少しずつ動いている」状態は、結果として何も強調できていない状態になりやすいのが課題です。

After:応募導線だけにマイクロアニメーションを集中

そこで、ジェイ・ラインの案件では「応募まわりにだけ動きを集中」させるケースが多くあります。具体的には:

  • グローバルナビの「エントリー」ボタンに、軽いホバースケールと色変化
  • スクロール時に、応募ボタン付近だけスライドインで視線を誘導
  • フォーム入力中のエラーや完了ステートを、ミクロなトランジションで明示

他のコンテンツはあえて静的にし、応募・フォーム周辺だけに「生きた動き」を集約。これだけでCVの押しやすさが大きく変わります。

社員紹介:静的一覧からカード型アニメーションへ

社員紹介ページも、アニメーションの入れどころを絞ると使いやすくなります。Beforeは「写真+名前+一言コメント」がタイル状に並ぶだけ。情報量はあっても、職種やスキルがパッと入ってきません。

Afterではカード型UIに切り替え、ホバーやタップで以下を自然に立ち上げます。

  • 職種・担当領域のラベルがふわっと表示
  • 主要スキルアイコンが下から立ち上がる
  • 「もっと見る」クリックで詳細モーダルに遷移

静止画の印象はそのままに、「どんな人が働いているか」が一瞬で伝わる構成に変えています。

ワイヤー段階で決めておくべきこと

動きの良し悪しは、ビジュアル制作より前、ワイヤーの段階でほぼ決まります。ジェイ・ラインでは次のようなメモをワイヤーに必ず乗せています。

  • 各セクションの「主役要素」と「脇役要素」を明示
  • 主役だけにモーションを許可するルールをコメントで共有
  • スクロールトリガーか、ホバー/クリックトリガーかを指定

こうして「ここは静か」「ここだけ動く」を構造レベルで決めておくと、デザインや実装フェーズでの迷いと手戻りがかなり減ります。

Figmaでのプロトタイプ共有とコミュニケーション

アニメーションの意図を伝えるには、Figmaのプロトタイプ機能をシンプルに使い分けるのがポイントです。

  • 主要な動きだけ、1〜2画面のミニフローで見せる(全部は作り込みすぎない)
  • ノードにコメントで「目的」「タイミング」「イージングのイメージ」を記載
  • 開発側にはGIFや動画キャプチャも添えて、再現の余地を残しつつ方向性を共有

「この動きでなければダメ」ではなく、「この意図を満たせばOK」というスタンスで共有すると、エンジニアと噛み合いやすくなります。

ジェイ・ラインでのUI/UX×MARUTTO連携フロー

ジェイ・ラインでは、UI/UXデザイナーとMARUTTOチーム(採用サイト制作チーム)がセットでアニメーションを設計しています。フローはシンプルです。

  • 要件定義:採用目標と、動きで支援したいKPIをすり合わせ
  • 構成・ワイヤー:動きを許可するエリア/禁止エリアをワイヤー上に定義
  • デザイン・プロトタイプ:Figmaで主要モーションを簡易再現
  • 実装:フロントエンド側で技術的・パフォーマンス観点から最適化
  • 計測・改善:公開後のCVや離脱率を見ながら、動きの量と質を微調整

こうした連携により、「デザインの意図」が実装と効果検証まできちんと届く環境で、UI/UXデザイナーがモーションも含めた体験設計に関われます。