2026.09.24

転職で差がつく「提案型ポートフォリオ」:UI/UXデザイナーの提案書同梱テクニック大全

Webデザイナー
# UI設計と情報設計# ビジネス理解# 制作プロセス可視化# 経験者採用対策# 転職準備

なぜ「提案型ポートフォリオ」が経験者採用で効くのか

5年以上の実務経験があると、ビジュアルの巧拙だけでは差がつきにくくなります。そこで効いてくるのが「提案プロセス」を見せるポートフォリオです。単なる成果物集ではなく、案件ごとにミニ提案書を同梱することで、以下が一目で伝わります。

  • 課題理解力:事業・採用・ユーザーの文脈をどう捉えているか
  • 情報設計力:制約下でどう優先順位をつけたか
  • チーム連携力:誰とどう役割分担し、意思決定したか

特にジェイ・ラインのように、採用・事業課題とWebを結びつける案件が多い環境では、「どんなサイトを作れるか」より「どんな問いを立て、どう提案したか」が評価の軸になります。

A4・2〜3枚でつくるミニ提案書フォーマットの全体像

1案件につきA4・2〜3枚にまとめる構成をおすすめします。冗長なストーリーより、「採用担当と現場デザイナーが5分で理解できる密度」を意識します。

  • 1枚目:案件サマリー+「課題・制約」
  • 2枚目:「調査・インサイト」+「UI/UXの打ち手」
  • 3枚目(任意):「成果・学び」+補足(チーム体制など)

各見出しは短く、図版やスクリーンショットは「Before/After」「情報構造図」など、意図が伝わるものに限定。本文は箇条書きを多用し、論点が一目で追えるプレゼン資料の感覚で設計すると、読み手の負荷が大きく下がります。

「課題・制約」を整理してビジネス理解を示す

最初の評価ポイントは、「そもそも何のためのUIだったのか」を説明できているかです。ここでは以下を簡潔にまとめます。

  • クライアントの業種・規模・ターゲット
  • プロジェクトの目的(例:中途採用CV向上、資料請求増など)
  • 直面していた課題(例:離脱率、応募者のミスマッチ、情報過多)
  • 制約条件(納期、予算、CMS縛り、ブランドガイドラインなど)

「現行サイトで◯◯が起きていたため」「採用ターゲットが△△に変化したため」といった背景を一言添えると、単なる画面デザインではなく、事業や採用の文脈を踏まえた提案だと伝わります。

「調査・インサイト」でUX設計プロセスを見せる

次に、「なぜそのUIに至ったのか」の根拠を整理します。すべてを書く必要はなく、思考プロセスが伝わる要素を絞ります。

  • 実施した調査:ヒアリング、アクセス解析、競合リサーチ、ユーザーインタビューなど
  • 把握したユーザー像:職種、情報感度、検討フロー、動機と不安
  • 主要インサイト:
    例)「応募前に働き方のリアルがわからない不安が強い」
    例)「情報は読んでくれないが、写真や事例はよく見ている」

調査量の多さより、「そこからどんな問いと仮説を立てたか」が重要です。「◯◯という仮説を置いたため、××の情報を優先した」とセットで示すと、情報設計力が伝わります。

「UI/UXの打ち手」を構造レベルで言語化する

ここでようやく具体的なUIに触れますが、「色やパーツ」よりも「構造と導線の設計意図」を中心に記載します。

  • 情報設計:ページ構成、セクション順序、ナビゲーションの整理
  • 導線設計:どの入口からどのコンバージョンへ導くか、そのためのCTA配置や導線パターン
  • UIパターン:カード化、比較表、タイムライン、FAQなど、選択した理由
  • ビジュアルコンセプト:トンマナ、写真の使い方、タイポグラフィの意図

ジェイ・ラインでは「誰に・何を・どう伝えるか」という観点を重視します。「採用ターゲットの◯◯な不安に対して、このUIで△△という安心感を与える」まで書けていると評価が高くなります。

「成果・学び」でチーム前提の提案力を示す

最後に、「やって終わり」ではなく、結果と振り返りまで含めて示します。定量・定性の両方を簡潔にまとめます。

  • 成果:CVR、滞在時間、離脱率、応募数・内定数などの変化(可能な範囲で数値)
  • クライアントやユーザーの反応:ヒアリングやアンケートのコメント
  • 学び:
    ・良かった点(次案件でも活かしたいこと)
    ・課題点(追加で試したかった施策、次に改善したいこと)
  • チーム体制:自分の役割、ディレクター・エンジニアとの連携方法

「◯◯はうまくいかなかったが、次は××を試したい」といった記述は、課題解決志向と成長意欲の証拠として、むしろプラスに評価されます。

ジェイ・ライン視点の評価軸と10のセルフチェックリスト

最後に、ミニ提案書を仕上げる際に確認したい10項目です。

  1. 案件の目的とビジネス課題が1ページ目で明確か
  2. 制約条件が整理され、現実的な提案に見えるか
  3. 調査内容から論理的なインサイトが導かれているか
  4. ターゲットユーザー像が具体的に描かれているか
  5. 情報設計の意図がワイヤーやサイトマップで可視化されているか
  6. ユーザー導線のシナリオが説明できているか
  7. UIの選択理由が「好み」ではなく根拠ベースになっているか
  8. チームメンバーとの役割分担・連携が記載されているか
  9. 成果や反省点を率直に振り返っているか
  10. 全体がA4・2〜3枚で読み切れる情報量に収まっているか

このチェックを通過した提案型ポートフォリオは、単に「手が動く人」ではなく、「課題解決パートナー」としての視点を備えたデザイナーであることを、強く印象づけるはずです。