2026.09.24

午前はUXリサーチャー、午後はアートディレクター?ハイブリッドUI/UXデザイナーの“役割チェンジ”な1日

Webデザイナー人のこと仕事のこと
# UI設計と情報設計# UXリサーチ# アートディレクション# クライアントコミュニケーション# ワイヤーフレーム制作

9:00〜11:00UXリサーチモードに一気にスイッチ

朝イチは、頭がいちばんクリアな時間を「考える仕事」にあてます。

ジェイ・ラインのデザイナーは、いきなり画面をつくらず、まずは課題とユーザーの解像度を上げるところからスタートします。たとえばこの時間にやるのは、こんなタスクです。

・ユーザーインタビューの設計(聞くべきことの優先順位づけ)

・アンケート結果の集計とラフなペルソナ整理

・既存サイトのヒューリスティック分析メモづくり「手を動かす前に、問題を定義する」ことに集中するので、ツールよりもスプレッドシートとメモが主役の時間です。

11:00〜13:00クライアントと“言語で”握る時間

昼前後は、クライアントと要件をすり合わせる打ち合わせが入りやすい時間帯です。

ここで意識しているのは、「デザインの前に、言葉で同じ景色を見てもらう」こと。専門用語をそのまま使わず、例えば次のように言い換えます。

・「CV」→「問い合わせや応募といった“ゴールの行動”」

・「ファーストビュー」→「開いて3秒で見える“第一印象の画面”」

・「情報設計」→「どの順番で何を見せるかの“並べ方の設計”」難しい話ほど図解や簡単なワイヤーを共有しながら、「このページで、誰に何を決めてほしいか?」を一緒に言語化していきます。

13:00〜15:00ワイヤーフレームで“ストーリー”を組み立てる

午後は思考モードを少し切り替え、FigmaやXDを開いてワイヤーフレーム作成へ。

ここでは、午前のリサーチ結果を「画面の流れ」に翻訳していきます。意識しているポイントは3つです。

・ユーザーの不安をどのタイミングで解消するか

・クライアントの伝えたいことを“押し売り”にしない見せ方

・スマホで見たときの読みやすさとタップしやすさこの段階ではグレーのボックスとテキストだけにとどめ、「情報の優先度」と「視線の動き」に集中。ビジュアルはあえて後回しにすることで、議論の焦点をぶらさないようにしています。

15:00〜18:00アートディレクションモードで一気にビジュアル化

夕方にかけては、アートディレクター寄りのスイッチをオンにします。

ワイヤーをベースに、トンマナとビジュアルコンセプトを固めていく時間です。具体的には、

・競合サイトのビジュアルリサーチとムードボード作成

・採用・コーポレートなど目的別のキービジュアル案づくり

・フォント、カラー、写真テイストのパターン出しここで重要なのは「好み」ではなく「戦略」に紐づいたビジュアルにすること。

たとえば採用サイトなら、「安心感重視」「挑戦重視」など、訴求軸ごとに1〜2案用意し、メリット・デメリットを整理しておきます。ディレクターやコーダーとも細かく連携し、実装前提のデザインに落とし込みます。

専門用語をかみ砕く“翻訳スキル”の磨き方

クライアントと長く伴走するうえで効いてくるのが、「デザイン用語の翻訳力」です。

ポイントは「概念→日常の例え→今回の案件への当てはめ」の3ステップで話すこと。例えば、

・UX:「サイトを使うときの“体験全体の心地よさ”」

・CTA:「次にしてほしい行動の“案内板やボタン”」

・トンマナ:「ブランドの“服装や口調”のようなもの」このように置き換えてから具体例を出すと、相手がアイデアを出しやすくなります。結果として、修正も前向きな議論になりやすく、デザイナー側の意図も通りやすくなります。

リサーチ経験を“伝わるポートフォリオ”に載せるコツ

上流から関わりたい人ほど、ポートフォリオで「ビジュアルだけ」を見せてしまいがちです。リサーチ経験を伝えるなら、1案件あたり1ページを使い、次の流れで構成すると効果的です。・プロジェクト概要(目的/ターゲット/成果指標)

・自分の役割(リサーチ〜UI/ビジュアルまでの関与範囲)

・リサーチでわかったこと(2〜3点に要約)

・その気づきがワイヤー・UIにどう反映されたか

・公開後の成果や学び数字がなくても、「どの仮説が外れて、どう改善したか」を書くと、思考プロセスと成長志向が伝わります。

ハイブリッドだからこそ伸ばせるキャリアの広がり

リサーチとアートディレクションの両方を担う働き方は、最初は負荷も高く感じられますが、その分キャリアの選択肢が広がります。・UXリサーチ寄りに振って、課題整理〜検証のスペシャリストになる

・UI/ビジュアル寄りに振って、ブランド全体の体験設計をリードする

・ディレクターと並走し、企画〜制作をフルスタックで見るジェイ・ラインのように、採用・コーポレート・地域プロモーションなど多様な案件に関われる環境では、「午前は課題を見立て、午後は解決策を形にする」という一日の積み重ねが、そのまま上流工程に強いデザイナーとしての実力につながっていきます。