SaaS・サブスク時代のサービスサイト制作術――LTV発想で設計するディレクション術
LTV発想で設計するサービスサイトのKPI設計
SaaS・サブスクでは「初回CV=ゴール」ではなく、LTV最大化のための通過点としてサービスサイトを設計します。
具体的には、次のようにファネルごとにKPIを分解します。
- 認知・興味:セッション、指名検索、回遊率
- 検討:料金・機能ページ到達率、比較コンテンツ閲覧数
- アクション:トライアル申込率、資料DL率、デモ予約率
- 利用定着:ログイン導線の再訪率、ヘルプ・活用ノウハウ閲覧数
ジェイ・ラインでは、営業・CS・マーケの数字と突き合わせながら、経営目標とサイトKPIを連動させるディレクションを行います。
※LTV・・・Life Time Value(顧客生涯価値)
複数CVを前提にした導線・レイアウト設計
SaaSサイトでは、いきなり申込させるより「温度別の複数CV」を用意した方がLTVは伸びやすくなります。たとえば、
- すぐ検討層:無料トライアル、デモ予約
- 情報収集中:資料DL、ウェビナー申込
- 課題整理段階:診断コンテンツ、チェックリストDL
ジェイ・ラインの制作では、ファーストビューに「主CV+サブCV」を並列設置しつつ、下層へ進むほどハードルの高いCVへ誘導する設計が基本です。スマホではスクロール位置ごとに異なるCVを配置し、離脱ポイントを計測しながら改善します。
オンボーディングとナーチャリングを見据えたコンテンツ
LTV最大化には、申込後の「使いこなし」までサイトでデザインする視点が欠かせません。ジェイ・ラインでは、
- 導入前:ユースケース、導入プロセス、比較表
- 導入直後:セットアップガイド、オンボーディング動画
- 活用フェーズ:活用TIPS、機能連携事例、セミナー案内
といった時間軸に沿ったコンテンツマップを設計します。特にBtoB SaaSやHR系サービスでは、CSチームへの取材を通じて「つまずきやすいポイント」を洗い出し、それをFAQやチュートリアルに反映させるディレクションが重要です。
プロダクトアップデートに耐える情報設計と運用
SaaSサイトはリリース後が本番です。頻繁な機能追加や料金改定に耐えるよう、初期段階から運用前提で情報設計を行います。たとえば、
- 機能カテゴリー単位で再利用しやすいコンポーネント設計
- 「料金」「プラン比較」「アップデート情報」の更新フロー定義
- 非エンジニアでも更新しやすいCMS構成とガバナンス設計
ジェイ・ラインでは、社内の制作チームと連携しながら、マレーシア・ベトナム拠点のコーディングチームとも協働し、多言語展開やABテストを見据えた運用基盤まで含めてディレクションを行います。
ジェイ・ライン流ディレクション:SaaS・HR・グローバル案件への関わり方
同社のWebディレクターは、単なる制作進行ではなく「事業パートナー」として関与します。
典型的な関わり方は、
- 課題定義:経営・人事・マーケ・CSへのヒアリング
- 戦略設計:LTV・採用目標・海外展開などを踏まえたKPI設計
- UX設計:情報設計、ワイヤー、コンテンツ方針の策定
- 実装・検証:制作チーム・海外拠点と連携した改善サイクル
SaaS、HRソリューション、グローバル案件まで領域が広く、広告商社として複数メディアを組み合わせるため、「サイト×広告×運用」を横断したディレクションが求められます。
30代ディレクターの1日の流れと求められるスタンス
中堅ディレクターを例に取ると、1日は次のような流れになりがちです。
- 午前:SaaSクライアントとのオンラインMTG、KPIレビュー
- 日中:ワイヤー作成、コンテンツディレクション、制作チームとの進行管理
- 夕方:HRサービスの改善提案資料作成、海外拠点との定例
必要なのは、ロジカルに事業数値を読み解く力と、チームを巻き込むコミュニケーション、そして「出来る方法から考える」姿勢です。プロダクトグロースに踏み込みたいディレクターほど、裁量の大きさと挑戦の幅を感じやすい環境と言えます。