UI/UXデザイナーが教える“動き”の作り方|採用サイトのアニメーション改善ビフォーアフター
効果的な「動き」を決める3つの基準
アニメーションを足す前に、「そもそも何のための動きか?」をはっきりさせます。ジェイ・ラインでは主に次の3つを基準にしています。
- 目的:理解促進/視線誘導/行動喚起のどれに効かせるのか
- 頻度:1ページ内で「目立たせたいポイント」は3カ所程度まで
- 負荷:初回ロードの重さ、モーション酔いリスクを必ずチェック
この3つに照らして「理由が言えない動き」は削るのが前提。そのうえで、採用サイトなら「応募」「エントリー導線」に優先的にアニメーションを割り振る、という考え方です。
Before:フェードインだらけの採用サイト
よくあるのが「スクロールするたび全部フェードイン」パターンです。一見リッチですが、採用サイトでは次のような問題が起きがちです。
- 読みたいテキストが遅れて出てきて、情報を一気に把握しづらい
- モバイルでスクロール量が多いと、ユーザーが途中で離脱しやすい
- 応募ボタンやエントリー導線が、他の要素に埋もれてしまう
「全部少しずつ動いている」状態は、結果として何も強調できていない状態になりやすいのが課題です。
After:応募導線だけにマイクロアニメーションを集中
そこで、ジェイ・ラインの案件では「応募まわりにだけ動きを集中」させるケースが多くあります。具体的には:
- グローバルナビの「エントリー」ボタンに、軽いホバースケールと色変化
- スクロール時に、応募ボタン付近だけスライドインで視線を誘導
- フォーム入力中のエラーや完了ステートを、ミクロなトランジションで明示
他のコンテンツはあえて静的にし、応募・フォーム周辺だけに「生きた動き」を集約。これだけでCVの押しやすさが大きく変わります。
社員紹介:静的一覧からカード型アニメーションへ
社員紹介ページも、アニメーションの入れどころを絞ると使いやすくなります。Beforeは「写真+名前+一言コメント」がタイル状に並ぶだけ。情報量はあっても、職種やスキルがパッと入ってきません。
Afterではカード型UIに切り替え、ホバーやタップで以下を自然に立ち上げます。
- 職種・担当領域のラベルがふわっと表示
- 主要スキルアイコンが下から立ち上がる
- 「もっと見る」クリックで詳細モーダルに遷移
静止画の印象はそのままに、「どんな人が働いているか」が一瞬で伝わる構成に変えています。
ワイヤー段階で決めておくべきこと
動きの良し悪しは、ビジュアル制作より前、ワイヤーの段階でほぼ決まります。ジェイ・ラインでは次のようなメモをワイヤーに必ず乗せています。
- 各セクションの「主役要素」と「脇役要素」を明示
- 主役だけにモーションを許可するルールをコメントで共有
- スクロールトリガーか、ホバー/クリックトリガーかを指定
こうして「ここは静か」「ここだけ動く」を構造レベルで決めておくと、デザインや実装フェーズでの迷いと手戻りがかなり減ります。
Figmaでのプロトタイプ共有とコミュニケーション
アニメーションの意図を伝えるには、Figmaのプロトタイプ機能をシンプルに使い分けるのがポイントです。
- 主要な動きだけ、1〜2画面のミニフローで見せる(全部は作り込みすぎない)
- ノードにコメントで「目的」「タイミング」「イージングのイメージ」を記載
- 開発側にはGIFや動画キャプチャも添えて、再現の余地を残しつつ方向性を共有
「この動きでなければダメ」ではなく、「この意図を満たせばOK」というスタンスで共有すると、エンジニアと噛み合いやすくなります。
ジェイ・ラインでのUI/UX×MARUTTO連携フロー
ジェイ・ラインでは、UI/UXデザイナーとMARUTTOチーム(採用サイト制作チーム)がセットでアニメーションを設計しています。フローはシンプルです。
- 要件定義:採用目標と、動きで支援したいKPIをすり合わせ
- 構成・ワイヤー:動きを許可するエリア/禁止エリアをワイヤー上に定義
- デザイン・プロトタイプ:Figmaで主要モーションを簡易再現
- 実装:フロントエンド側で技術的・パフォーマンス観点から最適化
- 計測・改善:公開後のCVや離脱率を見ながら、動きの量と質を微調整
こうした連携により、「デザインの意図」が実装と効果検証まできちんと届く環境で、UI/UXデザイナーがモーションも含めた体験設計に関われます。