UI/UXデザイナーの提案書、何が違う?“選ばれる提案書”の構成とは
なぜ「デザインは良いのに提案で負ける」のか
UIは評価されているのに、コンペで落ちる。多くの場合、原因は「スライドの中身」にあります。
・課題設定があいまい
・他社との違いが伝わらない
・成果イメージが見えない
といった状態だと、どれだけビジュアルが良くても「経営判断しづらい提案」になります。
選ばれる提案書は、画面キャプチャよりも「ストーリー」と「根拠」で勝ちにいきます。ここでは、Webサイト・採用サイト案件を想定した、使い回せる構成テンプレと、ジェイ・ラインの実務フローに近い考え方を紹介します。
基本テンプレ:7ステップ構成で“ストーリー化”する
提案書のおすすめ構成は、次の7ステップです。
1. プロジェクトゴールと前提整理
2. ペルソナ設定
3. 現状課題の整理
4. 解決コンセプトと体験設計
5. UI案(ワイヤー / デザイン)
6. スケジュール・体制
7. 見積もり・費用対効果の考え方
ポイントは、「UI案」が真ん中に来ること。最初から画面を見せるのではなく、
誰の /どんな課題に /どう効くのか
を前後のスライドでガッチリ固めることで、デザイン意図の説得力が一気に上がります。
解決策とUI案:ストーリーでつなぐサンプルスライド
次に、「解決策 →体験 → UI案」の流れを作ります。
【スライド例③:解決コンセプト】
「成長を実感できる“案件とチーム”が見える採用サイト」
・案件事例とプロセスを具体的に出す
・UI/UXデザイナーの働き方が伝わるストーリー構成
【スライド例④:UI案(トップページ)】
・ファーストビューで「どんな案件を、どんなチームで」やっているかを可視化
・PC/SPのワイヤー or モックを1画面にまとめ、「この導線で○○な課題を解消します」とキャプションを付ける
画面を見せるたびに、「どの課題にどう効くか」を1行で添えるのがコツです。
「この1ページ」で通りやすくなる評価指標・KPIの入れ方
意外と差がつくのが、KPIスライドです。最低限、次の3つは入れておきたいところです。
・現状値(応募数、CVR、滞在時間など)
・改善目標(例:応募数130% / スマホCVR150%)
・それを達成するための主要打ち手(例:スマホファーストな応募導線、職種別LP追加など)
採用サイトなら、「質の指標」もセットにすると評価が上がります。
例:応募者のポートフォリオ提出率、ターゲット職種比率など。
数字はざっくりでもよく、「成果を一緒に見る前提」をつくるページとして入れておくと、判断されやすい提案になります。
スケジュール・体制・見積もりの“見せ方”
終盤の3要素は、「安心感」と「プロ感」を出すパートです。
・スケジュール:要件定義〜公開までを週単位で。要件定義フェーズの重要性を一言添える
・体制:クライアント側と制作側、両方の担当を一覧化。UI/UXデザイナーの役割を明確に
・見積もり:ページ単価の羅列ではなく、「成果に効く打ち手」単位で区分(情報設計、採用コンテンツ企画、UIデザイン、検証など)
ジェイ・ラインでは、海外拠点を含むチーム体制になるケースも多く、「どの工程をどの拠点で担当するか」を整理して見せることで、スケール感と運用フェーズをイメージしやすくしています。
ジェイ・ラインのUI/UXデザイナーが提案で意識していること
実際のプロジェクトでは、UI/UXデザイナーが「画面をつくる前」の工程から深く関わります。
・人事や事業担当とのヒアリング同席
・ペルソナ、カスタマージャーニーの整理
・採用ブランディング・企業ブランディングの方向性すり合わせ
そのうえで、ディレクター、エンジニア、ライターとチームを組み、「誰に、何を、どう伝えるか」を軸に提案書を組み立てます。
デザインの良し悪しだけでなく、「事業や採用の成果につながるか」を基準に議論されるので、提案スキルを磨きたいUI/UXデザイナーにとって、学びの多い環境になっています。