2026.07.27

Webディレクターが語る「受け身ディレクション」から「提案型ディレクター」へ変わるまで

Webディレクター
# Webディレクション# WordPress要件定義# 情報設計# 採用サイト制作# 採用ブランディング

「受け身ディレクター」だった20代後半のリアル

前職での私は、クライアントから渡された構成案と素材を、制作チームに流す「進行役」に近い存在でした。要件定義は営業が行い、私の仕事はスケジュール調整と品質チェック中心。打ち合わせではメモを取り、持ち帰って社内で判断を仰ぐだけ。数字目標やKPIに踏み込むこともなく、「ディレクション=交通整理」と割り切っていました。

一方で、30代が近づくにつれ「このままでは企画力のないディレクターで終わる」という危機感も強くなっていました。採用サイトやコーポレートサイトの企画段階から関わりたいのに、自分から提案できる材料も自信もない。そんな「受け身」と「焦り」が同居した状態で、ジェイ・ラインに入社することになります。

ジェイ・ライン入社直後にぶつかった3つの壁

入社直後、最初に突きつけられたのが「要件定義を自分でまとめる」ことでした。採用ターゲット、応募経路、企業の中長期戦略までヒアリングし、目的とKPIを設計する。その抽象度に、正直かなり戸惑いました。

もうひとつの壁は情報設計です。ペルソナやカスタマージャーニーを踏まえ、「どの順序で何を見せるか」をゼロから組み立てる難しさ。そして何より大きかったのは、経営層や人事責任者との対話への怖さでした。「深い質問をしたいが、的外れだったらどうしよう」と踏み込めず、初期は会議後に先輩から何度も「そこ、もっと聞けたよね」とフィードバックを受けました。

壁打ち・レビュー・インタビュー同席で鍛えた提案筋

そこで徹底的に行ったのが、「先輩との壁打ち」と「企画書レビュー」です。打ち合わせ前には、仮の要件定義や構成案を作成し、先輩に30分単位でチェックしてもらう。聞くべき質問リストも一緒に作り込みました。

企画書は初期の数カ月で10本以上、細かく赤入れを受けました。「単なる機能説明ではなく、企業の課題ストーリーから書く」「ペルソナの行動変化を1枚で示す」などの型が、徐々に自分の中に蓄積されていきます。また、経営者インタビューへの同席も貴重でした。先輩がどのタイミングで深掘りし、どんな言葉を拾ってコンセプトに昇華させるのかを、隣でメモしながら吸収していきました。

小〜中規模案件から採用ブランディング案件へのステップ

1年目は主に小〜中規模の採用サイトやコーポレートサイトを担当し、「提案の型」を実案件で試すフェーズでした。改善提案も、まずは既存サイトの導線・コンテンツの棚卸しから着実に行い、効果検証のレポートも自分でまとめるようにしました。

2年目以降は、採用ブランディング案件や、採用とコーポレートを一体でリニューアルするプロジェクトに関わる機会が増えました。ここでは、採用広報・人事・経営陣など複数のステークホルダーを束ねる役割が求められます。ジェイ・ラインにはHRソリューション事業とWEBマーケティング事業があり、求人メディア運用で蓄積したデータと、WEB制作の知見を掛け合わせることで、「媒体×オウンドメディア」の総合的な提案がしやすい環境があります。

提案力を伸ばすために明日からできる3つのアクション

「提案型になりたい」と思ったとき、いきなり大きな企画を狙う必要はありません。まずは次の3つから始めると、日々の仕事が自然と「提案モード」に変わります。

  • 毎案件、「目的・ターゲット・KPI」を1枚で整理してから着手する
  • クライアントとの打ち合わせ前に、「聞くべき10問」を必ず書き出す
  • 公開後1〜3カ月で、数字をもとにした「ミニ改善案」を1つ以上出す

この3つを続けることで、「言われた通り作る人」から「成果に責任を持つ人」へと、マインドセットが変わっていきます。

ポートフォリオで見せるべきは「アウトプット」より「思考プロセス」

提案型ディレクターとして評価されたいなら、ポートフォリオの見せ方も変える必要があります。デザインのビジュアルだけでなく、以下のような情報を必ずセットで整理すると、企画力や課題解決力が伝わりやすくなります。

  • 案件概要:業種、サイト種別(採用/コーポレート/LPなど)、規模
  • 課題と目的:クライアントが困っていたこと、目指した指標
  • 自分の役割:要件定義・情報設計・コンテンツ企画・運用など
  • 打ち手と理由:なぜその構成・導線・コンテンツにしたのか
  • 結果:アクセスや応募数の変化、クライアントの声

アウトプットのクオリティだけでなく、「なぜそうしたのか」を筋道立てて説明できるかが、提案型ディレクターとしての信頼につながります。