単発案件を“指名リピート”に変える営業術:MARUTTOが語る制作会社向けアカウントディレクターの戦い方
単発発注を「関係づくりの起点」として設計する
制作会社・代理店との初回取引は、価格勝負になりがちです。ここで意識したいのは「利益最大化」より「関係性の設計」です。
・案件の背景(最終クライアントの業種・予算感・想定ボリューム)
・今後3〜6カ月で想定される制作・改修ニーズ
・既存パートナーへの不満・課題
まで必ず押さえ、「今回だけ」ではなく「年間でどんな支援ができるか」を会話に含めます。
単発案件でも、最初から「保守」「追加開発」を見据えた前提共有を行うことで、継続発注を受け取りやすい土台ができます。
見積もり段階でのスコープ定義と「摩擦の種」の摘み方
指名リピートの多くは「トラブルが起きない」ことから生まれます。見積もり時点で、以下をテキストで明文化するのが基本です。
・対応範囲(レスポンシブ、アニメーション、問い合わせフォームなど)
・修正回数と対応可能な粒度
・検証ブラウザ・デバイスの条件
・WordPress構築か、静的HTMLのみか
・納期と成果物定義(データ形式・納品方法)
これらをメール・提案書にセットで残すことで、制作側・クライアント側の期待値ギャップを防ぎ、「次も安心して頼める」と感じてもらいやすくなります。
相見積もりで価格競争に巻き込まれない提案トーク
「一番安いところに決めます」と言われた瞬間が勝負どころです。MARUTTOのアカウントディレクターは、単に単価を下げるのではなく、次のような会話で軸をずらします。
・「最安ではなく“トータルコスト”を下げる提案をさせてください」
・「修正発生時の追加費用とスピードも含めてご検討いただけますか」
・「次回以降のテンプレート化や運用を見据えた設計をご提案します」
価格だけでなく、再現性・スピード・安定運用まで踏み込んだ話をすることで、「安く早く」以外の判断軸をクライアントに提供します。
WP案件で押さえておくべき技術キーワードと会話例
テクニカル知識は専門担当に任せつつ、営業として最低限押さえたいWordPressキーワードがあります。
・テーマ/子テーマ(更新時の影響範囲の話に使える)
・カスタム投稿タイプ・カスタムフィールド(更新しやすさの設計)
・プラグイン選定方針(「極力少なく・実績あるもの」など)
・セキュリティ・バックアップ・バージョンアップ
会話例:「更新担当者様の運用負荷を下げるため、固定ページかカスタム投稿かを事前に整理させてください」「プラグインは将来の保守も見据えて選定します」。これだけでも、制作会社からの信頼度は大きく変わります。
単発コーディングから「保守」「追加開発」へ広げるクロスセル
最初は1ページのコーディング発注でも、設計次第で年間取引に育てられます。代表的なクロスセルは次の通りです。
・WordPress保守:コア・プラグイン更新、バックアップ、監視
・軽微改修:文言差し替え、画像入れ替え、バナー追加などのチケット制
・機能追加:問い合わせフォームの項目追加、LPの追加制作
提案タイミングは「納品時」と「納品1カ月後」が有効です。「更新担当者の方の負担はいかがですか」「今後、キャンペーン用のLP増加は想定されていますか」と運用課題から話を広げていきます。
今日から使えるヒアリング質問テンプレート
制作会社・代理店向けに、初回商談で使える質問例をいくつか挙げます。
・「今回の案件のゴールと、評価されるポイントは何でしょうか」
・「御社の体制上、誰がどのタイミングで関わりますか」
・「コーディングやWP構築で、過去にトラブルになったことはありますか」
・「半年先までで、似たような案件の予定はありますか」
・「理想のパートナー像はどんなイメージでしょうか」
これらを通じて、「案件」ではなく「事業・社内事情」を理解する姿勢を見せることが、指名リピートの前提条件になります。
継続発注につながった実際のメール文面イメージ
納品後のフォローメールは、次回発注のきっかけづくりに直結します。イメージは以下のような構成です。
1. 納品へのお礼と、社内レビュー結果の共有依頼
2. 想定される更新・改善ポイントの提案
3. 保守・追加開発メニューの簡潔な紹介
例:「今回のWP構築で、ニュース更新やキャンペーンLPの追加がしやすい設計にしております。今後、バナー差し替えやLP追加が発生する際は、スポット対応・月額保守どちらもご用意できますので、工数が読みづらい案件でも一度ご相談ください。」
営業メールで“次の会話”を必ず仕込むことが、指名リピートを生む習慣です。