地方制作会社×コーディング代行という成長市場──MARUTTOが見ているWeb制作業界のこれから
人口減少と人材不足が地方の制作現場にもたらす変化
地方のWeb制作会社・広告代理店は、クライアント数に対して「つくり手」が圧倒的に足りない状況に直面しています。人口減少で若手クリエイターが都市部へ流出し、採用コストも上昇。一方で、地場の中小企業からのWebサイトリニューアルや採用サイト需要は伸び続けており、「新規は取りたいが、制作リソースが追いつかない」というジレンマが生まれています。結果として、内製にこだわらず、パートナーと役割分担しながら案件を回す発想が現実解となり、コーディング代行やWordPress保守へのニーズが急速に高まっています。
リモートワーク浸透と「外部パートナー前提」のプロジェクト設計
コロナ禍以降、地方でもリモートワークが当たり前になり、拠点に縛られずにオンラインで連携する心理的ハードルが下がりました。これにより、従来は地元フリーランスに依存していたコーディングや保守業務を、専門サービスにアウトソースする流れが強まっています。制作会社側は、Zoomやチャットでの進行に慣れているため、
・進行フローが整理されている
・窓口が一貫している
・納期・品質のブレが少ない
といった「運用面の安心感」を特に重視します。営業としては、初回の段階からオンラインでの進め方や連絡頻度までセットで提案できると信頼を得やすくなります。
「デザインに強いが実装リソースが足りない会社」の課題とニーズ
地方には、紙媒体やブランディングに強く、デザインクオリティにこだわる制作会社が多く存在します。彼らの悩みは、
・デザイナーがコーディングまで抱えて残業が常態化
・アニメーションやレスポンシブ対応に不安があり、提案の幅が狭まる
・大型案件の同時進行ができず、売上の頭打ち感がある
といった点です。このタイプには、「デザインに100%集中してもらうための実装パートナー」というポジションで入るのが有効です。1ページ5,000円〜というわかりやすい料金設計や、経験10年以上のエンジニア体制を具体的に伝えることで、「任せても事故が起きにくい」という安心材料になります。
「WordPress案件の保守で疲弊している会社」のリアルな悩み
もう一つ典型的なのが、WordPress案件を多く抱えつつ、保守・改修対応で疲弊している会社です。
・更新依頼のたびに、制作チームが本来の新規案件から引き剥がされる
・プラグイン更新やPHPバージョン対応など、属人的な運用に不安がある
・過去に制作したサイトの「駆け込み相談」が増え、工数見積りが難しい
といった声がよく上がります。ここでは、WordPress保守サービスとして、対応範囲・SLA・料金の考え方を整理して提示することが重要です。「新規制作チームを保守から解放し、売上をつくる仕事に集中してもらう」という、経営的なメリットまで言語化できると、決裁者レベルでの共感を得やすくなります。
コーディング代行が価値を発揮するポジションとヒアリングの勘所
この市場での勝ち筋は、「下請け」ではなく「制作体制の拡張パートナー」として位置付けられるかどうかです。初回ヒアリングでは、
・直近6ヶ月で断った/遅延した案件はあるか
・社内で一番ボトルネックになっている職種はどこか
・WordPress案件の新規:保守の比率
・理想的な案件ポートフォリオ(新規・保守・広告運用のバランス)
などを丁寧に聞き出すと、本質的な課題が見えます。そのうえで、「御社のボトルネックを、どの工程をどの単価で肩代わりすると一番インパクトが出るか」を一緒に設計していくスタンスが、継続取引につながります。
リピート・紹介を生む“業界ならでは”の会話ネタと提案の型
継続・紹介につなげるには、「話していて制作まわりのストレスが軽くなる相手」になることが近道です。具体的には、
・他の地方で増えているサイトリニューアルの傾向
・採用サイトでよく使われるWordPressテーマや構成例
・GoogleコアアップデートやCore Web Vitalsと実装の関係
といったトピックを、難しくしすぎずに共有できると喜ばれます。提案の型としては、
1.先方の制作フローの棚卸し
2. ボトルネック工程の特定
3.その工程だけを小さくトライするパイロット案件提案
4. 結果を一緒に振り返り、標準フロー化を提案
というステップで進めると、自然にリピートの前提が整います。
業界インプットのおすすめと、入社後3ヶ月の成長イメージ
日々のテレアポ・フォーム営業の質を高めるには、Web制作業界の文脈理解が欠かせません。
・Web担当者Forum、MarkeZine:クライアント側の視点を知る
・ferret、LIGブログなど制作会社のオウンドメディア:制作現場のリアルを学ぶ
・用語は「HTML/CSS/JSの役割」「WordPressのテーマ・プラグイン・固定ページ/投稿」のレベルを押さえる
入社後3ヶ月の目標イメージとしては、
・地方制作会社3〜5社と、毎月定期的に打ち合わせできる関係をつくる
・小〜中規模のコーディング案件を10件前後、抜け漏れなくディレクターに引き継げる
・WordPress保守提案で、少なくとも1社と年間契約をまとめる
といったラインを目指すと、この成長市場で長く戦える営業基盤が築けます。