要件が決まらないクライアントを前に、テクニカルディレクターはどう動く?“沼案件”を救う顧客折衝テクニック
「とりあえずWordPressで…」と言われた瞬間に確認すべきこと
「WordPressでいい感じに」と言われたとき、先に決めるべきは見た目からではなく“与件の確定”です。ジェイ・ラインでは必ず以下を押さえます。
- サイトの目的(問い合わせ増、採用強化など)
- ターゲット・ペルソナ
- 予算と想定スケジュール
- 公開後の運用体制(更新担当・頻度・社内スキル)
ここを言語化しておくと、要件が後から揺れても「最初の目的」に立ち返って調整しやすくなります。
デザインの前にまず“案件の土台”を固める意識が重要です。
沼を防ぐヒアリング質問リスト:目的・中身・体制の3セット
要件が曖昧な案件ほど、「何を作るか」より「なぜ作るか」「誰が関わるか」を深掘りします。ジェイ・ラインでよく使う質問は、ざっくり次の三本柱です。
- 目的:「このサイトで、半年後にどうなっていたら成功ですか?」
- コンテンツ:「既存資料でそのまま使えそうなものは何がありますか?」
- 体制:「最終決裁をされる方はどなたで、いつごろ判断されますか?」
質問は「YES/NO」ではなく、会話を引き出すオープンクエスチョンを意識すると、沼の芽を早期に見つけられます。
スコープ・納期・修正回数は「最初の会話」で決まる
プロジェクトの終盤に「そこも含まれていると思っていました」というすれ違いが起きるとき、原因のほとんどは最初の段階で認識を揃えられていなかったことにあります。
お互いの期待値を早めに言語化しておくことが、双方にとってスムーズな進行につながります。
特に確認しておきたいのが、次の3つです。
- スコープ
「今回”必ずやること”と”できればやりたいこと”を分けて整理しませんか?」と最初に確認することで、後から認識のズレが生じにくくなります。
ご要望は多岐にわたることが多いからこそ、優先度を一緒に整理しておくと安心です。 - 納期
「公開日は守る」を前提に、そこから逆算して中間確認のタイミングを複数設けておきます。「〇日までに初稿確認、〇日までに修正反映」と細かくマイルストーンを握っておくことで、万が一修正が発生しても「どこで調整するか」を冷静に判断できます。
もし修正内容が想定より多くなった場合は、「公開日を動かす」のではなく、「公開範囲を絞る」「フェーズを分ける」という選択肢をセットで提案します。
たとえば「トップページと主要ページは予定通り公開し、残りは2週間以内に追加対応する」といった形です。
クライアントにとっても、全体を遅らせるより部分的に前進できるほうが合意を得やすく、関係性を損なわずにスケジュールを守れることが多いです。 - 修正回数
基本的には「デザインフェーズで2回、構築フェーズで2回」をご提案しています。
回数を明示する理由は、制限のためではなく、修正を集中させてクオリティを上げるためです。
現場でよくあるのが、「少しずつ直してほしい」が積み重なるケースです。細かい修正が分散すると、確認工数が増え、意図せず別の箇所に影響が出るリスクも高まります。
まとめて確認・反映するサイクルのほうが、結果的にスピードも品質も上がります。
もし2回の中に収まらない修正が出た場合は、「その修正がゴールに対してどう必要か」を一緒に整理したうえで、追加対応の可否と工数をあらためてご相談する形にしています。
感情的な交渉ではなく、目的ベースで話すことで、クライアントも納得感を持って判断しやすくなります。
こうした確認事項は口頭だけでなく、議事録と簡易な要件定義に残しておきましょう。
「合意したライン」を見える化しておくことが、プロジェクトを通じて気持ちよく進めるための土台になります。
テクニカルディレクターとしての経験をさらに広げる
ジェイ・ラインでは、コーディング代行「MARUTTO」と受託制作の両軸で、テクニカルディレクターの経験値が直接活きる案件に継続的に携わることができます。
- 仕様の整理から入る相談ベースの案件
- 複数の関係者をまとめながら進める制作支援
- 公開後の運用・改善提案まで関与する継続案件
「難易度が高い案件ほど面白い」と感じられる方にとって、こうした現場は自分のディレクションスタイルをさらに磨ける場になります。
チームでレビューし合う文化もあり、自分の判断軸を言語化・精度を上げていける土壌もあります。
現場で培ってきたスキルを、より広い案件・より深い関係構築の中で発揮したい方を歓迎します。