2026.06.18

AI時代のテクニカルディレクターコーディング術「非代替」スキルと実装スタイル

テクニカルディレクター仕事のこと
# AI活用コーディング# Web制作体制# コードレビュー手法# コンポーネント設計# テクニカルディレクション

AIで書けるコードと「任せてはいけない」領域の線引き

CopilotやChatGPTは、ルーティンな実装や既知パターンの補完に強みがあります。
ジェイ・ラインの現場でも、HTMLテンプレートの量産やWordPressの基本的なループなどはAIに任せ、工数を圧縮しています。
一方で、任せてはいけないのは「ビジネスルールが絡む重要ロジック」「セキュリティ・権限周り」「パフォーマンスに直結する処理」。
AIは仕様の前提や責任範囲を理解しないため、テクニカルディレクターは「仕様の意図」と「失敗したときの影響」を軸に、AI利用の是非を判断する役割を担います。

保守性を前提にしたコンポーネント設計と実装スタイル

AIがコードを書く前提になるほど、「どんなコードを書くか」より「どう分割して管理するか」が重要になります。
ジェイ・ラインでは、デザイン変更やコンテンツ追加が多い採用サイト・コーポレートサイトほど、コンポーネント指向で設計。
UI部品ごとに役割を明確にし、命名規則やディレクトリ構造をドキュメント化します。
AIには「このコンポーネントの責務」「入力と出力」「想定ユースケース」をプロンプトで伝え、生成物はあくまで雛形と定義。
テクニカルディレクターは、“AIに書かせやすい設計”を用意することで、後工程の保守コストを下げています。

レビュー観点のテンプレート化とAI補助レビュー

AI時代のレビューは「目視ですべて確認する」から、「観点をテンプレート化し、AIと分担する」方向へシフトしています。
ジェイ・ラインのテクニカルディレクターは、プロジェクトごとにレビュー観点をチェックリスト化し、例として「HTML構造・アクセシビリティ」「WordPressテーマ構成」「セキュリティ・入力値検証」「パフォーマンス・画像最適化」などを整理。
静的なコードスタイルや単純なアンチパターン検出はAIにサポートさせ、人は要件との整合性やユーザー体験、運用担当者の使いやすさに集中します。
観点を文章化しておくことで、AIレビューの精度も継続的に高められます。

今の職場で試せるAI前提のスキルアップステップ

大きく環境を変えなくても、明日から取り組めるステップは多くあります。例えば、
1)日常のコーディングでCopilotやChatGPTを使い、「AIに何を渡すと良いコードが返るか」を意識してプロンプトを改善する。
2)自分が書いたコードをAIにレビューさせ、指摘をもとに“レビュー観点メモ”を作る。
3)小さな社内案件で、設計書・ディレクトリ構成・命名規則を自分なりに定義し、メンバーに共有する。
こうした積み重ねが、「コードを書く人」から「設計と判断を担う人」へのシフトになり、テクニカルディレクターとしての非代替スキルの土台になります。

MARUTTOの実案件で求められるAI活用と人のコーディング力

ジェイ・ラインのコーディング代行サービス「MARUTTO」は、Web制作会社や広告代理店の「リソースが追いつかない」という悩みに応えるため、納期の速さと同じレベルで「仕上がりの精度」を大切にしています。
AIはあくまで工数を減らすための補助ツールとして扱い、テクニカルディレクターは、クライアントの要望を正確に技術仕様へ翻訳し、社内コーダーへ噛み砕いて伝え、最終的な成果物の品質をチェックする要となるポジションです。
また、AI活用時には機密情報を安易に入力しない運用ルールを徹底し、情報漏洩リスクを最小化する体制を整えています。
クライアント側でAI利用NGの場合には、その方針を厳守し、人の目と手による制作フローのみで対応します。

評価の軸となるのは、「AIが吐き出したコードをそのまま信用せず、仕様・表示・セキュリティの観点から検証し切る力」と、「WordPressやサーバー、ドメイン移管などの実務知識を踏まえて、運用しやすくトラブルの少ない構成に導く設計力」です。
AIを便利な道具として冷静に使い分けながら、最終的なクオリティと安全性に責任を持つ“技術編集者”として、プロジェクト全体をコントロールしていただくことを期待しています。

テクニカルディレクターとしてのキャリア設計と行動のヒント

AIによって単純な実装業務は確実に効率化されますが、テクニカルディレクターの価値はむしろ高まっています。
今後のキャリアを考えるうえでは、
1)要件定義・見積もり・運用設計など、上流と下流をつなぐ仕事に意図的に関わること、
2)自分なりのレビュー観点と設計原則を言語化し、チームで共有すること、
3)異なる業界・サイト種別(採用、コーポレート、ECなど)の案件を経験し、判断の引き出しを増やすことが有効です。

AI時代のコーディング術とは、単に速く書くことではなく、「どのような設計と判断で、プロジェクトを成功へ導くか」を磨くプロセスそのものだと言えるでしょう。