コードも書けるし、お客さんとも話したい人へ。テクニカルディレクターとエンジニアの“ハイブリッドなキャリア”入門
実装ガチ勢がテクニカルディレクターを選んだ理由
フロントもバックも一通り書けるようになった頃、「この仕様、本当にお客さんの課題を解いてる?」というモヤモヤが増えてきました。レビューで指摘されるのはコードの綺麗さや保守性。でも、自分が本当に悩んでいたのは「なぜこの機能を作るのか」「もっといい落としどころはないのか」という部分でした。そこで選んだのが、テクニカルディレクター。コードも分かるけれど、仕様や進め方の最終判断をするポジションです。「作る人」から「決める・つなぐ人」へ、キャリアの軸足を少しだけずらしてみたイメージに近いかもしれません。
エンジニアとテクニカルディレクターの違い① 時間の使い方
エンジニア時代の1日は、7~8割が実装とレビュー。残りが調査やドキュメントでした。テクニカルディレクターになってからは、時間配分がガラッと変わります。たとえばある1日は、午前中にWordPress案件の要件整理とお客さんとの打ち合わせ、午後は社内コーダーへの指示出しと進行管理、夕方にサーバ移管の最終チェック。自分でコードを書くのは全体の2~3割程度。そのぶん「どこまでを今回やるか」「このスケジュールで品質を守れるか」といった判断に時間を使います。手を動かすより、頭と口をフル回転させる比率が高くなるイメージです。
エンジニアとテクニカルディレクターの違い② 評価されるポイント
エンジニアは、技術力や生産性が評価の中心になりがちです。「どれだけ綺麗に実装したか」「難しい要件をどこまで自力で突破できたか」といった指標ですね。一方テクニカルディレクターは、評価軸が少しビジネス寄りにシフトします。たとえば、
・お客さんの曖昧な要望を、技術的に実現可能な仕様に落としたか
・予算と工数のバランスを取りながら、品質ラインを死守したか
・トラブルが起こった時、関係者を巻き込みつつ早く収束させたか
といった観点が重く見られます。「自分がどれだけ書いたか」より「チームとしてどれだけ無事にゴールに着地させたか」が問われる仕事です。
エンジニアとテクニカルディレクターの違い③ 関わる人の幅
現場エンジニアのコミュニケーション相手は、PM・デザイナー・同じ開発メンバーが中心です。テクニカルディレクターになると、ここに「お客さん」と「社内外のステークホルダー」が一気に増えます。
・制作会社や代理店の窓口担当
・自社コーダー、パートナー会社
・インフラ担当、時にはクライアントの情報システム部門
など、多様な立場の人たちと会話しながら、仕様・スケジュール・体制を調整していきます。技術の前提知識が違う人に、噛み砕いて説明する力がかなり鍛えられるポジションです。
WP構築・サーバ移管・保守対応での“リアルな判断”
たとえばWordPress構築では、「プラグインで行くか、テーマ直実装か」を、予算・納期・運用担当者のスキルを見ながら決めます。サーバ移管では、DNS切り替えのタイミングやロールバック手順をドキュメント化し、関係者全員に共有。保守対応では、お客さんから「ちょっとここ変えたい」と相談が来たとき、
・瞬間的にパッチを当てるのか
・次回リニューアルまで待つのか
・代替手段を提案するのか
をその場で判断します。MARUTTOのように「低単価×品質重視」の現場では、こうした小さな判断の積み重ねが、信頼残高にそのまま跳ね返ってきます。
テクニカルディレクター転職を考え始めたエンジニアの準備チェックリスト
現職エンジニアがテクニカルディレクターを目指すなら、次の観点を整理しておくとスムーズです。
【ポートフォリオ】
・「どんなコードを書いたか」だけでなく、「どんな課題をどう解決したか」を1案件ごとに記載
・WordPressやサーバ移管など、テクニカルディレクター業務に近い案件は詳細にまとめる
【面接で話したいエピソード】
・仕様決めや要件調整に主体的に関わった経験
・トラブル対応で関係者を巻き込んでリカバリした話
【学んでおくと得すること】
・見積りの基本(工数の考え方)
・プロジェクト管理ツール(Backlog、Jira、Notionなど)
・WebマーケやSEOの基礎知識
「専門性+ビジネス寄り」のハイブリッドなキャリアに、少しでもワクッとしたなら、その感覚を大事にして準備を進めてみてください。