単発受注から“パートナー”へ。制作会社・代理店と長く付き合うWeb営業の関係構築術【現場の失敗談つき】
「単発で終わる営業」だった頃の失敗談
制作会社・代理店向けの営業を始めた頃、僕はとにかく「案件をもらうこと」だけに必死でした。
・単価を下げてでも一発受注を取りにいく
・スケジュールや検証範囲の詰めが甘く、制作側が炎上
・納品後は「何かあれば連絡ください」で終了
結果、「助かったよ、また機会あれば」で終わることがほとんど。紹介もリピートもほぼゼロでした。
振り返ると、相手のビジネスモデルや社内事情を理解せず、「目の前の案件」だけを取りに行く営業だったのが原因でした。
初回商談で必ず聞くべき「相手の事情」が分かる質問
単発から脱出するきっかけは、初回商談の質問をガラッと変えたことでした。案件の話より先に、次を必ず聞きます。
・「御社の主力クライアントって、どんな業種が多いですか?」
・「制作フローで一番ボトルネックになりやすい工程はどこですか?」
・「相見積もりのとき、最終決定のポイントは価格以外に何がありますか?」
・「社内で稟議を通すとき、誰がどこを気にされますか?」
このあたりを押さえると、提案の解像度が一気に上がり、「うちの事情を分かってくれている人」にランクアップできます。
見積もりで値引き要求…をチャンスに変える会話術
「他社より高いから、もう少し下がりませんか?」と言われたとき、昔は即値引きしていました。当然、値段でしか比較されません。
今はまず前提を整理します。
・「他社さんと比べて、スコープや検証範囲に違いはありませんか?」
・「今回は“勝ちたい案件”ですか?それとも“赤字NG案件”ですか?」
そのうえで、
・「検証は御社側で行う前提なら、ここまで下げられます」
・「今回だけ単価を調整する代わりに、次の案件もぜひ相談させてください」
など、条件とセットで交渉。結果、「ただの値引き要員」から「利益を一緒に守ってくれるパートナー」に変わっていきました。
納品後フォローから保守・継続案件につなげる流れ
単発で終わらせないキーは、納品後1〜2週間のフォローです。
・公開後の数値やクライアントの反応をヒアリング
・運用してみて出てきた「小さな困りごと」を聞く
WordPress案件なら、
・「更新権限の管理、いま誰が何をできる状態ですか?」
・「バックアップやバージョンアップは、どなたが担当されていますか?」
といった質問から保守の話につなげます。
「じゃあ、トラブル時にすぐ相談できる窓口として、月◯◯円の保守プランを用意しましょうか」と自然に提案すると、営業感を出しすぎずに継続契約を取りやすくなります。
制作チームとの連携が「次の発注」を生む
長く付き合えるかどうかは、社外だけでなく社内の信頼にも左右されます。テクニカルディレクターに嫌われる営業は、だいたい情報がざっくりです。
・最終成果物のイメージ(他サイトのURLなど)
・修正回数、検証範囲、NGブラウザの明文化
・代理店がクライアントに約束していること/していないこと
ここまで整理して渡すと、制作側のストレスと炎上リスクが激減します。
結果として「この営業が持ってくる案件はやりやすい」となり、納期も品質も安定。代理店からの評価も自然と上がり、次の相談が来るようになります。
「価格勝負から卒業する営業」になるために
単発受注からパートナー関係へシフトするポイントをまとめると、
・初回商談で「相手のビジネスモデルと稟議プロセス」を深掘りする
・値引き交渉は、条件とセットで「利益を守る提案」に変える
・納品後フォローで小さな課題を拾い、保守や追加開発につなげる
・社内の制作チームが動きやすい情報整理を徹底する
どれも派手さはありませんが、行動量×改善を回すと、確実にリピートと紹介が増えていきます。
「単発で追いかけ続ける営業」から、「制作会社・代理店に長く頼られる営業」へ、明日から少しずつシフトしてみてください。