「言われた通り作るディレクター」卒業。採用サイトの企画〜取材までまるっと関わる仕事の中身を、案件事例で解説します
案件スタート:要件を聞くだけで終わらせない「最初の1時間」
採用サイトのリニューアルは、営業同行のヒアリングから始まります。 ここで大事にしているのは「ページの枚数」ではなく「採用の現状とこれから」です。例えば、最初の打ち合わせで必ず聞くのはこんなことです。
- どんな人が応募してきて、どんな人に入社してほしいか
- 人が辞めてしまう理由と、定着している人の共通点
- 経営側と現場側、それぞれが感じている課題
「とりあえず今の内容をきれいに」が出てきても、一度立ち止まって本音を一緒に整理する。ここでどこまで深く踏み込めるかで、その後の企画の自由度が大きく変わってきます。
企画〜構成案:求人票では伝わらない“採用ストーリー”を設計する
ヒアリング内容を持ち帰ったら、ターゲット像と採用ストーリーを文章で整理します。 ジェイ・ラインのディレクターは、ここを単なる「サイトマップ作成」で終わらせません。
- この会社を知らない候補者が、どんな順番で知り・納得し・応募するか
- 「働きやすさ」「やりがい」を、どのページのどのコンテンツで伝えるか
- 経営メッセージと現場の声のバランスをどう取るか
こうした流れを文章化したうえで、ワイヤーフレームに落とし込みます。 「たくさん情報を載せる」のではなく、「読む人が一歩踏み出せる導線になっているか」を基準に、情報の取捨選択をしていきます。
取材・撮影:現場の空気をほぐし、“その人らしさ”を引き出す
企画が固まったら、社員インタビューや座談会の取材・撮影に同行します。 ここでのディレクターの役割は「場づくり」と「ゴールの共有」です。取材前には、
- 今日の記事で読者にどんな印象を持ってほしいか
- 必ず聞いておきたいエピソード・テーマ
を、カメラマンやライターとすり合わせます。当日は、緊張している社員の方に雑談を挟みながら、本音が出やすい雰囲気をつくることが大事です。「理想論」ではなく「ちょっと大変だったけど乗り越えられた経験」など、熱量のある話ほど採用サイトでは響きます。
インタビュー記事のライティングディレクション“3つのチェックポイント”
原稿が上がってきたら、ディレクターが必ず見るポイントが3つあります。
- ターゲットの「不安」にちゃんと答えているか (働き方・成長環境・人間関係など)
- 会社のメッセージと社員の言葉がきちんとつながっているか (言っていることがページごとにバラバラになっていないか)
- その人らしい言葉が残っているか (きれいな言い回しだけになっていないか)
「読みやすさ」だけでなく、「この会社で働くイメージが具体的に湧くか」を基準に、見出し・写真・導入の一文まで細かくチェックしていきます。
案件を動かすチーム体制と、20代ディレクターに任される範囲
1つの採用サイト案件には、営業・ディレクター・デザイナー・コーダー・ライター・カメラマンなど、複数のメンバーが関わります。 20代のディレクターでも、早い段階から
- 小〜中規模案件のメインディレクション
- 取材・撮影現場の進行とクライアント対応
- ワイヤーフレーム作成と原稿構成の主担当
といったポジションを任されます。 とはいえ丸投げではなく、企画や構成の段階で先輩がレビューに入り、提案の組み立て方や「一歩踏み込んだ聞き方」をフィードバックする文化があります。
今の自分をチェック:転職前に磨いておくと活きるスキル
最後に、「今の自分にどこまで経験があるか」を確認するための簡単なチェックリストです。
- ターゲットユーザーを言語化し、それに合わせた構成を考えたことがある
- 採用サイトやコーポレートサイトで、目的から逆算してワイヤーを作った経験がある
- インタビュー記事の構成案や見出し案を自分で組み立てたことがある
- 取材や撮影の現場で、進行やクライアントとの調整を担当したことがある
- 「言われた通り」ではなく、自分から改善提案をして形になった経験がある
いくつか当てはまるなら、あとは「どこまで採用戦略から関わりたいか」の意欲次第です。受け身の制作から一歩踏み出して、企業と一緒に採用のストーリーをつくっていきたい人には、やりがいを感じやすいフィールドだと思います。