2026.06.11

インナーブランディング×採用サイト制作:社内の共感を生む「巻き込み型ディレクション」実践ガイド

Webディレクター人のこと仕事のこと
# ステークホルダー連携# ワークショップ設計# 採用ブランディング# 社内浸透施策# 社員インタビュー活用

インナーブランディング前提で設計する採用サイトのゴール設定

採用サイトを「広報ツール」ではなく「インナーブランディング装置」として設計すると、ゴール設定が変わります。応募数だけでなく、社内の理解度・共感度・行動変容を指標に組み込むことが重要です。
ジェイ・ラインでは、ミッション「未来のために、全てのステークホルダーと、新しい価値を共創する」と連動させ、以下を初期段階で定義します。

  • 候補者に伝えたい「らしさ」と、社員に再認識してほしい「らしさ」
  • 1年後に変化していてほしい社内の会話・行動
  • 経営・人事・現場それぞれのインナーブランディング上の期待

この二重のゴールを合意することが、「巻き込み型」の前提条件になります。

企画初期の巻き込み:ステークホルダーマップと合意形成

巻き込み型ディレクションでは、「誰をいつ・どの深さで関与させるか」の設計が肝になります。
ジェイ・ラインでは、企画初期にステークホルダーマップを作成し、役割と期待値を整理します。

  • 経営層:ビジョン・投資対効果・最終判断
  • 人事:採用戦略・運用体制・KPI管理
  • 現場リーダー:仕事のリアリティ・評価視点
  • 若手・中堅:カルチャー・成長実感・本音

この上で、「何を一緒に決めるか」と「任せてほしい領域」を明確にし、キックオフ時に共有。ディレクター自身の裁量範囲もここで言語化しておきます。

ワークショップ設計:その会社「らしさ」を言語化する進行ステップ

ワークショップは「合意形成」と「言語化」を同時に進める場として設計します。ジェイ・ラインの代表的な流れは次の通りです。

  1. アイスブレイク:入社理由・続けている理由を共有
  2. 価値観抽出:「うちの会社が他社と決定的に違う点」を付箋で出し合う
  3. ストーリー共有:象徴的なエピソードを深掘り
  4. ペルソナ討議:「共に働きたい人」の像を具体化
  5. メッセージ仮組み:キーワードを3〜5本に圧縮

オンラインの場合はブレイクアウト+Miroなどを活用し、発言量の偏りを抑えるファシリテーションが有効です。

インタビュー設計と質問例:本音とリアリティを引き出す

巻き込み型では、インタビュー自体をインナーブランディングの場として設計します。
ジェイ・ラインで多用する質問の軸は以下です。

  • 「入社前のイメージ」と「ギャップ」:良い面・厳しい面を両方聞く
  • 最近「ジェイ・ラインらしい」と感じた出来事は?
  • 自分の仕事が、企業・地域・人のどこに効いていると感じるか?
  • 成長実感を得た瞬間と、その背景にあるカルチャー

若手・管理職・バックオフィスなど、レイヤーごとに深掘りテーマを変えつつ、「出来ない理由ではなく出来る方法を考える」などコアバリューに紐づけて整理します。

オンライン/オフラインのファシリテーションのコツ

オンラインでは「発言の質より量を先に確保する」設計が有効です。チャットやスタンプでのリアクションを許容し、指名制よりもラウンドテーブル方式で意見を回収します。
オフラインでは、机配置や紙のワークを使い、「隣の人の意見を紹介する」形式で心理的安全性を高めます。
どちらの場合も、ディレクターは結論を急がず、「言語の揺れ」や矛盾をメモし、後の構成フェーズで編集する前提で受け止めることがポイントです。

コンテンツ化プロセス:声を編集し、社内外に響くストーリーへ

ジェイ・ラインでは、インタビューとワークショップの成果を次のステップでコンテンツ化します。

  1. 発言ログを価値観・行動・環境・キャリアの4軸でタグ付け
  2. 採用ターゲットごとに「知りたい・不安なこと」をマッピング
  3. タグとニーズを突き合わせ、ストーリーラインを設計
  4. 見出しとコピー案を作成し、社内レビューを実施

この過程で、社内メンバー自身が「自社の言葉」に修正していくことが、インナーブランディングとしての重要なプロセスになります。

ジェイ・ラインでの撮影・進行ディレクションとディレクターの裁量

撮影では、「きれいな画」よりも「働き方のリアル」を優先し、実際の打ち合わせやオンライン会議、ワークシーンなどを積極的に収集します。
ディレクターは、カットリスト作成から当日の導線設計、コメント収録まで一貫してリードします。
また、公開後の運用フェーズでも、アクセスデータや応募者の声を踏まえた改善提案を継続。
人事・現場を巻き込みながら、採用サイトを「更新され続けるインナーブランディング基盤」として育てていく役割を担います。