上流から関わるWebディレクターの仕事術|ジェイ・ライン流「企画〜運用」フローをケーススタディで解剖
RFP〜キックオフ:採用課題をどう言語化するか
モデル案件は「地方拠点の若手採用が頭打ちのメーカー」。代理店経由でRFPが届き、キックオフ前に以下を確認します。
- 採用数・充足率の推移
- 応募〜内定〜定着のボトルネック
- 既存施策(媒体・イベント・自社サイト)の成果
- 競合・比較される企業像
- 社内の意思決定フローとスケジュール
ジェイ・ラインのディレクターは、媒体側のKPIとクライアントの採用KGIを両方踏まえ、「何をこのサイトで解決するのか」を1枚の企画骨子に落とし込んでからキックオフに臨みます。
企画提案:ヒアリングで必ず押さえる5つの質問
キックオフ〜企画フェーズでは、数値だけでなく「採用ストーリー」を掘り下げます。特に重視する質問は次の5つです。
- 「今、採用できている人」と「本当に採りたい人」の違いは何か
- 入社1年目が「辞めたくなる瞬間」と「続けて良かった瞬間」はどこか
- 現場マネジャーが採用で一番不安に思っていることは何か
- 経営・人事が5年後に実現したい組織像はどんな状態か
- 応募者にだけ伝えている“オフレコ情報”は何か
これらを基に、メインコンセプト、コンテンツ構成案、導線設計、運用方針までを含む提案書を構築します。
要件定義・情報設計:UX視点チェックリスト
ワイヤーフレーム策定時は、UX視点で次の観点をチェックします。
- ターゲット別の流入経路ごとに「最初に見るページ」が明確か
- 志望度別(情報収集中/比較検討中/応募直前)の導線が用意されているか
- 「不安を解消するコンテンツ」が各ページに1つ以上あるか
- スマホ前提で、1スクロールごとに意味のある情報ブロックになっているか
- 問い合わせ・応募の動線が常に2タップ以内で到達できるか
要件定義書には、機能だけでなくKPI(応募数・エントリー率・回遊率など)と計測方法もセットで記載し、公開後の改善前提で設計します。
制作進行・撮影ディレクション:現場の「温度」を写し取る
採用サイトでは、写真とインタビューが成果を大きく左右します。ジェイ・ラインでは、撮影前に必ず
- 出演者ごとの「役割」と見せたいキャラクター
- 1カットごとの利用シーン(トップ/募集職種/SNS転用など)
- 「やってほしいポーズ」だけでなく「NGイメージ」
- インタビューのゴール(どんなメッセージで締めるか)
を共有し、当日はディレクターがカットリストと進行表を持って現場をリードします。制作進行では、デザイナー・エンジニア・ライターと週次で進捗共有し、クライアントの確認負荷を下げることも重要なタスクです。
公開後の改善:KPI設計とレポートのポイント
公開直後は、3カ月を1スプリントと見立てて運用します。代表的なKPIは
- セッション数・流入元別のCVR
- 募集職種ページへの到達率・離脱率
- フォーム入力開始率・完了率
- 媒体別×サイト経由の応募数と内定率
レポートでは数値に加え、「仮説→施策→結果→次の打ち手」を1ページで整理します。例えば、地方学生の離脱率が高い場合、「交通・住宅サポート情報の追加」「オンライン選考の訴求強化」など、採用プロセス全体の改善提案まで踏み込むのがジェイ・ライン流です。
ジェイ・ラインで求める30代ディレクター像
想定しているのは、企画〜運用まで一貫してリードしつつ、クライアントと長期的に伴走したい30代ディレクターです。特に
- 採用・ブランディングの文脈を理解し、経営・人事と対等に議論できる
- 媒体・広告だけに頼らず、オウンドメディアを軸に戦略を組み立てられる
- チームでの制作体制を設計し、品質とスケジュールを両立できる
- 「出来ない理由」ではなく「出来る方法」を提案し続けられる
といったスタンスを重視します。求人媒体の販売パートナーとしての視点も持ち合わせていると、提案の幅がさらに広がります。
入社後1年で広がる裁量と役割イメージ
入社1年目のディレクターには、案件リードに加えて次のような役割が期待されます。
- 採用サイト案件の企画リーダーとして、代理店と連携した提案設計
- 既存クライアント群を踏まえた「代理店開拓戦略」の立案・実行
- 自社サービス(採用オウンドメディア構築など)のパッケージ企画・改善
- 若手ディレクター・デザイナーへのレビューとナレッジ共有
単発の制作で終わらせず、「企業・地域・人」の課題に対して、採用×WEBマーケティングを掛け合わせた中長期のパートナーシップを設計していくことが、ジェイ・ラインのディレクターに与えられる裁量の大きさです。