2026.05.22

提案型ディレクターへのアップデート術:UX設計と改善提案スキルを“武器”にする7つのステップ

仕事のこと
# Webディレクション# アクセス解析# カスタマージャーニー# コンバージョン最適化# 採用サイト設計

制作進行から「採用KPIまで聞き切る」ディレクションへ

提案型ディレクターへの最初の一歩は、「求人票の延長線」ではなく「採用戦略の一部」としてサイトを捉え直すことです。
ジェイ・ラインの採用サイト案件では、初回ヒアリングで必ず次を押さえます。

  • 年間の採用人数・職種別の優先度
  • 現状の応募チャネルとコスト(媒体・紹介・自社サイトなど)
  • 人事が追っているKPI(応募数・一次通過率・内定承諾率など)
  • 「いま最も困っている採用課題」は何か
  • 入社後に活躍している人の共通点と、ミスマッチ事例

ここまで聞き切ると、「ページ構成」ではなく「採用成果」を起点にした提案に自然とシフトできます。

ユーザー行動を1枚に整理するシンプルなジャーニーマップ

複雑なフォーマットより、「30分で描けるジャーニー」を使うのが続けるコツです。
ジェイ・ラインでは採用サイト用に、次の4行だけのシートをよく使います。

  • フェーズ:認知 → 興味 → 比較 → 応募 → 入社後イメージ
  • ユーザーの行動:検索、SNS、口コミ、サイト閲覧など
  • 感情・疑問:「どんな人が多い?」「自分でも通る?」など
  • 必要なコンテンツ:ストーリー、FAQ、選考フロー、1日の流れなど

1職種につき1枚作るだけで、「誰に・どこで・何を見せるか」が明確になり、クライアントとの共通言語にもなります。

CVから逆算する採用サイト構成テンプレ

「応募ボタンから逆算する」と、構成の迷いが一気になくなります。
ジェイ・ラインの採用サイトでは、次のような骨組みをベースに設計することが多くあります。

  • ①トップ:ターゲット人材への一言メッセージ+募集職種導線
  • ②仕事・事業:ミッション、事業インパクトの理解
  • ③人とカルチャー:社員ストーリー、評価・育成のリアル
  • ④働く環境:制度・働き方・数字で見る組織
  • ⑤FAQ:応募前の不安をつぶす
  • ⑥エントリー:職種別応募フォーム、選考フロー

ここに職種別LPを追加して、重点採用ポジションは深堀りする、という考え方です。

リリース後90日で改善提案まで持っていくログ分析

「公開して終わり」から抜け出すには、90日をひと区切りにした観察と提案が有効です。
最低限見る指標を絞ると、分析が習慣化しやすくなります。

  • 全体:セッション数、流入チャネル別のCVR
  • 行動:主要導線のクリック率、各ページの離脱率
  • 応募:フォーム到達率、フォーム入力完了率

30日目で「現状把握」、60日目で「仮説メモ」、90日目で「改善案3つ」と決めておくと、クライアントへのレポートも「作業報告」から「打ち手提案」に変わります。

クライアントに刺さるBefore/After提案資料の型

提案の説得力は「どれだけ作り込んだか」より、「違いが一目でわかるか」で決まります。
ジェイ・ラインでよく使う構成は次の通りです。

  • 1枚目:課題の整理(現状KPIとギャップを図解)
  • 2枚目:改善コンセプト(誰に何をどう変えるか)
  • 3〜4枚目:Before/Afterの画面比較(ファーストビューと導線)
  • 5枚目:期待される効果と測定方法

特に採用サイトでは、「どの職種の何を改善して、応募数or質にどう効かせるのか」を1行で言い切ると刺さりやすくなります。

Webディレクターが「進行役」から変わった転機

ジェイ・ラインでも、制作進行中心だった中途ディレクターが、採用サイト案件を通じて役割を変えていった事例があります。
きっかけは「採用KPIと面接官の本音」を聞きに行ったことでした。

ヒアリング内容をもとに、「ミスマッチを減らすためのストーリー設計」を提案し、リリース後も応募データと人事の感触をセットで追う運用に変更。結果として、単なる納品相手ではなく「採用チームの一員」として、媒体選定や採用広報全体の相談を受けるようになっていきました。

UX設計と改善提案スキルを伸ばす実践ロードマップ

提案型ディレクターへのアップデートは、一気にではなく「習慣化」で進めるのが現実的です。
例えば、次のようなステップで3〜6か月をデザインできます。

  • 1か月目:ヒアリング質問リストと簡易ジャーニーマップを自分の型にする
  • 2〜3か月目:担当案件でCV逆算の構成テンプレを試す
  • 3〜4か月目:ログ指標を決め、90日サイクルのレポートを1案件で回す
  • 5〜6か月目:Before/After型の資料で、小さな改善提案を複数回行う

こうした積み上げが、「進行管理のうまい人」から「成果を一緒に設計できるパートナー」への変化を生み出していきます。